バークシャー・ハザウェイのチャーリー・マンガー副会長が、偉大な投資家になるための要件について、絶望的な現実を語っている。
私はカリフォルニア工科大のほとんどの人材が偉大な投資家になれるとは思わない。
ある程度、偉大な投資家とは偉大なチェス棋士のようなもので、ほとんど生まれながらの投資家なんだ。
マンガー氏のカリフォルニア工科大での発言をForbesが伝えている。
どうやったら大きな賭けをなしうる投資家を育てられるか、との問いに対する回答だ。
多くの一般投資家、アクティブ投資家にとって、耳の痛い、わかっていても聞きたくなかった言葉なのではないか。
マンガー氏によれば、偉大な投資家になるには知識も必要だが、それだけではない。
生来の気質のようなものも多く要求されるという。
だから、理系の名門カリフォルニア工科大をもってしても偉大な投資家を輩出できるわけではないのだ。
マンガー氏は、努力で向上できる知識以外に必要とされる気質をいくつか挙げている。
1つには満足遅延耐性を備えなければならない。
待つことを甘受できなければならない。
せわしなく売買を繰り返すのではなく、自分が信じた投資テーマが実るまである程度の期間待てなければいけない。
今満足したい気持ちを抑え、ご褒美を将来までとっておく辛抱強さが必要だ。
しかし、辛抱強いだけでもダメらしい。
良い投資には、奇妙なことだが、忍耐と攻撃性が必要だ。
これを兼ね備える人は少ない。
忍耐という美徳は慎重という美徳と隣り合わせの印象がある。
辛抱強くあり続けられる人があまりにも慎重になってしまえば、大きなチャンスに十分に行動を起こせない可能性もある。
マンガー氏が言いたいのは、適切なタイミングでオンとオフのメリハリをつける能力なのだろう。
最後は、多くの偉大な投資家が言及する《無知の知》である。
また、自分がどれだけ知りどれだけ知らないか、大いに自覚することが必要だ。
さらに、自分自身の能力の限界を知らなければならない。