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個人投資家に奨めたい2つのコト:レイ・ダリオ
2020年5月27日

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、コロナ・ショックや各国の政策対応を踏まえて一般の投資家に奨めたいことを2つ挙げている。


私たちは、米国で直接・間接に発生する損失が大ざっぱにいって4-5兆ドルになると推計している。
それを素早く埋めることが大きな効果を生むと考えている。
しかし、それがお金と信用の価値に対する疑問をもたらすことになる。

ダリオ氏がワシントン・ポストのインタビューで、コロナ・ショックによる米国の損失が巨額に上ると予想した。
巨額であってもすぐに政府・中央銀行が救済すべきとし、すでにゼロ金利であることを考えれば、財政・金融政策を協調させるしか選択肢はないとした。
巨額の財政政策を打つ一方で、金融政策によって国債の需給均衡を保つやり方だ。
この国家債務のマネタイゼーションは、だぶつく国家債務のリスクを通貨に変換する営みであり、リスクは通貨の側に転嫁されることになる。
ダリオ氏の有名なフレーズ「現金はゴミだ」はここからきている。

このインタビューでダリオ氏は、一般人が投資において注意すべき点を尋ねられている。
ダリオ氏は簡潔に2つ挙げている。
1つ目は十分な貯蓄をしておくこと。
収入と支出を把握し、収入がある期間途絶えてもカバーできる金額の貯蓄を確保しておくこと。
2つ目はその貯蓄をよく分散させることだ。
そして、分散の考え方も従来とは変えていくべきと説いている。

歴史を振り返ると、ドルの価値の持つインプリケーションを無視してよいように思える。
だから、株式、債券、未公開株など、不動産などで(分散を)考えればよかった。

お金と信用の価値が大きく揺らがないなら、あとは主要な資産の間での分散を考えればよかった。
ダリオ氏はその前提が揺らぐと考えている。
ドルや債務の価値が大きく下落しうると考えている。
その意味で、債券はもっとも弱い資産クラスだろう。
さらに、将来債券が大幅に下落しドル金利が大きく上昇するなら、その他のドル資産にも下押しとなりうる。

だからダリオ氏は他の地域・資産クラスにも目を向けるよう説いている。

これらは通常の経済(状態)では良いものだが、世界に対象を広げ、世界での分散を図るべきだ。
さらに少額だけ他の資産、金、物価連動債、欧州ほかへの投資、中国も加えるべきだ。
中国への投資は(米中が)競争する環境では良い分散戦略になる。

金や物価連動債はインフレを強く意識したものだろう。
(ポイントは「少額だけ」というところ。
以前ダリオ氏は同様の発言をし、自身が金を推奨したと報じられたことに不快感を示したことがある。)
中国については、ダリオ氏独特の分散効果を見ている。
米中の覇権争いがどちらの勝利になろうと、両方に賭けておけば大きな打撃を避けることができるとのロジックだ。


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