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信用危機へのカウントダウン:ヌリエル・ルービニ

世界金融危機を予想し《終末博士》とも呼ばれるヌリエル・ルービニ ニューヨーク大学教授は、適切な救済措置がなければ、コロナ・ショックが信用危機に発展すると予想している。


私が長い間言ってきたように、次の金融危機は家計の住宅ローンやレバレッジのかかった銀行が問題となった2008年とは異なり、企業債務やシャドウ・バンクで起こる。
米国の問題は企業債務の積み上がりだからだ: レバレッジド・ローン、CLO、1兆ドルにのぼる投資適格の債務の投資不適格への格下げだ。

ルービニ教授がBloombergで、金融危機・信用危機の発生の可能性を警告した。

米企業債務の市場に脆弱性が存在するのは数年前から市場のコンセンサスとなりつつあった。
それでも低金利は続いたから、企業の側は合理的な判断として借金の継続・拡大を選択してきた。
それが、最近のコロナ・ショックで大きく揺らいでいる。
米国債利回りが史上最低水準に低下したにもかかわらず、社債利回りが上昇した銘柄が多くみられるのだ。
投資家が要求する信用リスク・プレミアムが急騰したためだ。

ルービニ教授は、社債市場の悪化がエネルギー産業をはじめ、コロナウィルスの影響を受ける航空・クルーズ船・エンターテインメントなどの分野に広がっているという。
あいにく、これらの産業もレバレッジが活用されやすい装置産業だ。
放置すれば他分野にも幅広く伝染し信用危機に発展すると、教授は予想する。

何かクルーズ船、航空、すべての種類の金融機関を救済するようなことをしないかぎり、伝染はより深刻化するだろう。
・・・そうしなければ信用危機に発展する。
エネルギー・セクター救済も考えられるが、政治的に実現不可能だろう。

ルービニ教授は、世界経済が景気後退入りするとの予想を述べている。
もはやこれは自分だけの見方ではなくなってきていると話す。
まだ明らかでないのは、コロナ・ショックが年前半で落ち着くのか、後半にも及ぶのかだという。
欧米で年後半にまで及ぶようなら、ウィルスだけでなく信用危機の伝染が始まりかねないと示唆した。

流動性は3-6か月は助けになり生き残ることができるだろうが、9か月になれば破産する人が多くなる。
家計、中小企業、エネルギー・航空などレバレッジのかかった大企業もだ。


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