投資

何もしないことに耐えろ:ジム・ロジャーズ
2020年2月18日

ジム・ロジャーズ氏が、自身の投資スタイルを淡々と説明している。


「しばらく私はビジネス・スクールで教えていたが、学生が教わっていることに驚いた。
少なくとも私が実際の(投資)経験の中でやらないようなことばかりだったんだ。
たぶんあれでは良い投資はできない。」

ロジャーズ氏がIG UKでビジネス・スクールをディスっている。
同氏はクォンタム・ファンドから退いた後、コロンビア大学のビジネス・スクールで客員教授を務めていた時期がある。
ロジャーズ氏の抱いた違和感とは何か。

「私の投資のやり方は、何が起こっているのかを理解し、分析するというものだ。
しかし、ビジネス・スクールでは、アルファやベータなどのような、良い投資対象を売買するのに関係あるかどうかわからないことばかりなんだ。」

ロジャーズ氏の驚きは理解できる。
同氏はビジネス・スクールを経ることなく金融業に飛び込んだ、いわば叩き上げだ。
なぜ、ロジャーズ氏が驚いたかといえば単純明快だ。
ビジネス・スクールは投資家のための学校ではない。
企業経営者や起業家になるための学校だからだ。
ビジネス・スクールの学生の進路の中に投資家は(ないとはいわないが)ほとんどない。
金融界に進む人たちもほとんどが金融機関に就職する。
仮にそれが機関投資家であったとしても、職種は投資とはならない。
むしろ、投資家からいかに手数料をいただくかの勉強をするのがビジネス・スクールだ。
投資のリターンで飯を食うのと、投資家からの手数料で飯を食うのでは大きな違いがある。

もう1つ気を付けないといけないのは、ロジャーズ氏が卓越した投資家であることだ。
ビジネス・スクールをはじめ、投資に少しでもかかわりのある分野の学校は、卓越していることを前提にすべきでない。
並の人間が何をやれるかを教えざるを得ない。
並みの人間にとってアルファやベータを学ぶことは決して無駄なことではないだろう。
(フリー・ランチが存在しないことを思い知らされるよい機会だ。)

ロジャーズ氏は成功の秘訣を語る。

「誰も需給の法則を無効にすることはできない。
多くの国、政治家、哲学者、共産主義が需給の法則を無効化しようと試みた。
・・・
ビジネス・スクール、哲学ほかが教えることはすべて忘れろ。
もしも需給に起こっていることが理解できるなら、成功を収めることができるだろう。」

価格は需給が決めるとの主張であり、需給の状況を読み切れれば儲かるはずとの指摘だ。
正しいことではあるが、それを知るのが難しい。
生身の人間がどうやれば知ることができるのかが課題の本質だろう。

ロジャーズ氏は、日頃から短期売買が苦手と自認している。
その上で、自身のスタイルを説明する。

投資家として成功するための1つは、ほとんどの時間・長い時間何もしないことだ。
・・・何もすべきでないと私は学んだ。
なにもせず、待つんだ。
将来、多くのチャンスがやってくるんだから。

お金があるから投資しないといけないといった安直な考えはいけない。
安易に妥協をせず、最高のチャンスを待つべきとの主張だ。
そして、投資実行後にも待ちは重要だ。

投資をしているなら、じっと待って、投資が実るのを待つ方がいいかもしれない。
需給がまた振るわなくなるまで、株価がどんどん上昇するのを待つべきだ。
・・・
私のやり方は何か安いものを見つけ、何か変化があったら投資し、機が熟して上昇するのを待つというもの。
正しくやれば何年、何十年も上がる可能性があるんだ。


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