佐々木融氏:FRB利上げでドル高が進みにくいワケ

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JP Morganの佐々木融氏が、金利差を原因とするドル高が進みにくい理由を解説している。
シナリオを突き詰めると、もっと怖い可能性が見えてくる。


FRBの利上げがドル円相場に与える影響は小さくなっていくと考えている。
なぜなら、今後FRBが利上げを行っても米国の長期金利はさほど上昇しないと考えているからだ。

佐々木氏は週刊東洋経済への寄稿で、FRB利上げをもって円安ドル高を予想すべきでないと書いている。
実はこの予想、佐々木氏はすでに4月に語っていた
前回(2004-06年)の利上げサイクルを回顧し、合計4.25%ポイントのFF金利引き上げでも長期金利はほとんど上昇しなかった点を紹介していた。
アラン・グリーンスパン元FRB議長がConundrum(謎)と呼んだ現象だ。


米10年債利回り(青)とFF金利(赤)
米10年債利回り(青)とFF金利(赤)

佐々木氏の推論にはもう一つ前提がある。
「近年、ドル円相場は日米の2年金利差よりも10年金利差との相関が安定的に強くなっている」というものだ。
米国の10年金利がさほど上がらず、日本の10年金利がゼロ%にペッグされ続けるなら、ドル円相場の金利差の影響による変動は小さくならざるをえない。
佐々木氏は書いている。

「FRBの利上げより、日本銀行がイールドカーブ・コントロールを緩めて、日本の長期金利が多少でも上昇するほうが、インパクトはあるかもしれない。
無理やりコントロールしようとしても、結局、最後はつじつまの合うように反動が生じるのがマーケットの常である。」

(次ページ: 上げ渋るドル相場より怖いシナリオ)

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