佐々木融氏:円長期金利上昇が円高要因に

JP Morganの佐々木融氏が来年の為替相場を占っている。
来年はドルと円がともに他通貨に対して弱くなると予想している。


FRBが利上げを行えるということは世界経済が堅調に拡大していることを意味する。
従って、ドルは円とともに資本調達通貨として弱くなるのである。
FRBの利上げに絡んでドルが上昇するのは、利上げ開始までの時が多い。
利上げが始まると、ドルはそれほど上昇しなくなる。

佐々木氏はReutersへの寄稿で書いている。
つまり、来年このまま世界経済が順調ならば、ドルも円も売られるということだ。
結果、ドル円はレンジ相場となり、クロス円は円安になるという。

米ドル実効為替レート(青、左)、実効FF金利(赤、右)とドル円(緑、左)
米ドル実効為替レート(青、左)、実効FF金利(赤、右)とドル円(緑、左)

前回の利上げ局面を検証しておこう。
利上げ開始直前に実効為替レート、ドル円ともに一時的に上げたが、利上げ開始とともに下げている。
実効為替レートはその後も下げ基調を続けている。
利上げが1%ほど進むと、ドル円は円安の効果が勝ったため円安ドル高に転じている。
ドル単独の要因を見るには実効為替レートが適しており、前回の利上げ期にドル安が進んだのは事実である。

今回の利上げサイクルもようやく1%ほどの利上げが進んだ。
近時ではどういう傾向にあるのだろう。


米ドル実効為替レート(青、左)、実効FF金利(赤、右)とドル円(緑、左)(近時)
米ドル実効為替レート(青、左)、実効FF金利(赤、右)とドル円(緑、左)(近時)

ここでもドル相場は利上げを先取りするように上昇しているが、利上げ開始後には足踏みをしている。
今回はドル円で顕著にドル安となっている。

佐々木氏は、引き続きドル円相場が日米の2年金利差ではなく長期金利差とより相関していると指摘している。
では、日米の長期金利はどう予想されるのだろう。
米長期金利は上げ渋ると予想されている。

「FRBが利上げをするからと言って米10年国債金利が上昇するわけではない。
前回の利上げ局面では、米10年国債金利はFRBが利上げを始めたところが当面のピークとなり、その水準を明確に超えて上昇したのは、FRBが350bpも利上げを行った後だった。」

米10年債(青)・2年債(緑)利回りとFF金利

一方の円長期金利はどうか。

「当社の金利ストラテジストチームは、来年は日本の長期金利上昇を主因に、日米10年国債金利差が縮小すると予想している。 」

つまり、JP Morganでは日銀が長期金利ターゲットに対するスタンスを変更(引き上げるか、幅を広げるか)すると見込んでいるのである。


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