佐々木融氏:ミサイルが落ちても円買いなのか

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JP Morganの佐々木融氏が、有事の為替を解説している。
有事の為替はどう考えればいいか、日本に被害が及ぶ場合はどうか、が論じられている。


日本に被害が出るような事態になれば、円買いがより一層進むとみている。
2011年3月の東日本大震災後の4営業日でドル円相場が8%も円高・ドル安になったことを考えても、そうなる可能性が高いとみている。

佐々木氏はReutersへの寄稿で、北朝鮮情勢とそれに伴う為替影響を予想するのが困難としながらも、有事の円高という結論を端的に述べている。
そこでの根拠は東日本大震災の時の円高である。
この時、日本は大きな被害を受け、さらに先行きの見えない事態に陥った。
それでも、一般人が直観的に思い浮かべる円売りではなく円買いが起こった。
いつも通りリスク・オフの円高が起こったのである。
この事実はとても重い。


コンセンサスは有事のドル売り

佐々木氏の予想を2つのパートに分けて学んでおこう。
まず1つ目は、有事の為替についてであり、佐々木氏はイラク戦争を回顧している。

「イラク戦争開戦に向けて不安感が高まっていく2002年12月上旬から2003年3月上旬までの4カ月間に、ドル円相場は125円台から116円台まで7%超下落した。
・・・ この間、ドルは独歩安となり、主要通貨の中でドルが最弱、円は中位だった。

外国為替情報社(現・FNグローバル)が発行する『外為年鑑』には、この時のドル円相場の下落について、
『戦争開始の可能性が現実味を帯びると、安全資産にドルからの資金逃避の動きが活発化する「有事のドル売り」に拍車が掛かった』
と記されている。」

つまり、一般論としてのコンセンサスは有事のドル買いではなく、有事のドル売りなのだ。
これについては浜町SCIでも以前いくつかの事例から確認している。
米国はリスク資産の宝庫であり、世界最大の投資の受け皿だ。
深刻な有事があると、リスク資産が売られるのと同時に、投資の受け皿である米国の通貨も売られるのであろう。
反対通貨が低金利であれば、そうした動きは増幅されるはずだ。

(次ページ: 日本が被害を受ける場合は?)

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