佐々木融氏:ドル安は1-1.5年続く

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JP Morgan佐々木融氏が、長期ドル安トレンドを予想した。
今回のFRBの利上げサイクルはドル高を牽引しないのだという。


現在のドル安は今後1-1.5年といった長期的なトレンドと見た方がいい。

佐々木氏はテレビ東京の番組でやや長いスパンでのドル安トレンドを予想した。
同氏は従来から(ドル安を主因とする)円高ドル安予想を続けてきたが、すでにかなり円高ドル安に戻していること、予想のホライズンが1-1.5年であることを考えると、やや新たな予想としてとらえるべきかもしれない。
実際、年初からのドル安の動きは際立っている。
少なからぬ人が、米ドルの準備通貨としての地位が揺らぐのではと心配するほどだ。

米ドルの名目実効為替レート
米ドルの名目実効為替レート

「JP Morganは以前からトランプ大統領の保護主義的政策で今年はドル安になると見ていた。
それにしてもドル安のペースが速い。」


ドル安を予想してきたJP Morganにとっても想定を超えるスピードのドル安だったようだ。
佐々木氏は、今回のFRB利上げサイクルが例になく緩慢なためだろうと原因を分析する。
インフレ率が思うように上がらず、FRBの利上げが進まない。
だらだらと長く、利上げ幅は小さい。

「ドルは、FRBが利上げをする時点に向けて上がっていき、利上げを開始すると下がる傾向にある。
下がっていき、6か月から1年経つと(次の利上げに向けて)金利差が開いていき、ドルも上がり始める。
継続していてもなかなか利上げペースが上がらないと金利差が開かずドル買いにならない。
だらだらとドルが下がっていく。」

佐々木氏は、企業・投資家のポジションに起因する円高要因を2つ説明している:

  • 輸出企業のヘッジ
    企業の想定レートは108.20近辺。
    もしドル円が107円台まで落ちてしばらくそこで推移すると、円を買い戻してヘッジする必要に迫られる。
  • 外国株投資の含み損回避
    5-8月、日本の投資家は外国株を毎月1兆円以上(合計4.6兆円)買っている。
    最近の円高でパフォーマンスが悪化している。
    これ以上円高になると含み損が出てきて、回避のための円買い需要が出てくる。

また、佐々木氏はリスク・オフの円買いについても復習してくれている。

「リスク・オフで円が買われるのは円が安全通貨だからではなく、基本的にはポジションの巻き戻しだ。
リスク・オンの時には、みんな低金利通貨の円を売って高金利通貨を買うポジションを膨らます。
リスク・オフになると、円を選んで買っているわけではなく、円を買い戻してポジションを閉じなければいけなくなる。」

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