低金利はすばらしい:ジェレミー・シーゲル

ウォートンの魔術師ことジェレミー・シーゲル教授が、FRBのハト派的な姿勢に好感し、強気の見通しを続けている。
低金利は長く続くとし、米国株に強気のスタンスを示している。


「50 bpの利下げを望んでいるが、50 bpにはなりそうもない。
何社かのインフレ予想を信じるならFF金利は170 bpであるべきだ。」

FRBは利下げすべきと主張してきたシーゲル教授がCNBCで50 bpの利下げが望ましいと話した。
現在のFF金利誘導目標は2.25-2.50%。
シーゲル教授が適切と考える1.70%に近づけるには50 bpの利下げが必要となる。
しかし、パウエルFRB議長をはじめとするFRB高官の思惑はもう少し小幅なものかもしれない。

「10年金利がFF金利より低い時には不安だったが、方向性は正しいし、そう動きつつある。」

シーゲル教授は、イールド・カーブの長短逆転に対して不安視していたのだ。
いうまでもなく、米景気後退前にイールド・カーブが長短逆転するという経験則が知られているからだ。
しかし、この議論は実は根拠があるとはいえない。
イールド・カーブの長短逆転が景気後退の原因であるという証拠はなく、もしかしたら逆に(事前に起こる)結果である可能性さえあるからだ。
つまり、長短逆転後に景気後退が起こると考えるのはまっとうだが、長短逆転を人為的に解消したから景気後退が起こらないと考えるのには根拠がないのだ。


ともあれ、シーゲル教授の金融政策に対する懸念はやや後退した。
しかし、教授は企業収益に対しても慎重なスタンスを続けている。
第4四半期の市場の利益予想が高すぎるというものだ。
足元で19倍のPERが20-22倍まで伸長する可能性もあるとしながら、用心も必要と話している。
とはいえ、そこは「永遠のブル」だ。

少々のインフレは間違いなくいいことだし、FRBを少し鈍化させるかもしれない。
短期的なトレンド、テクニカルは良く見える。

一方で、シーゲル教授は、調整が起こることも否定していない。
それが相場の常だし、強気相場の終わりがいつか来ることも覚悟しているからだ。
その上で、それまでにフェア・バリューの10-15%上まで上げうると説明している。
フェア・バリューまでまだ5-6%あり、第4四半期に少し売られるまでまだ10-12%の上げ余地があると予想した。
第4四半期に下げがありうるとするため、年後半は用心を高めるべきという。

総じてシーゲル教授がブルであり続ける理由ははっきりしている。
今後長い間低金利が継続すると予想しているからだ。

「低金利はすばらしい。
これは高PERを意味する。
もはや19世紀の15倍ではなく18-20倍がニュー・ノーマルになった。
20世紀の初めに金利はゼロ近くになり、低くなった。」
(注: 原文どおりだが、もしかしたら1世紀言い間違えたのかもしれない。)

では、低金利を予想する根拠はどこにあるのか。
金融・財政政策が関係しているのかと尋ねられ、シーゲル教授は注意深く言葉を選んでいる。

「借金が問題でないと述べることには常に用心が必要だ。
しかし、現実に米国債には世界中から満たしきれない需要がある。
・・・
米国債は金融上のリスクなどすべてのリスクに対するヘッジ資産とされている。
ダウが大きく下げれば米国債が上がり、これが米国債利回りを低く保っている。
無制限に財政赤字を続けていいわけではないが、現在は米国債には大きな需要があり、減っているようには見えない。」


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