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ハワード・マークス 低金利が投資家を駆り立てた:ハワード・マークス

オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が、3月下旬からの市場回復の主因として金利低下を挙げ、それが引き起こしうる副作用について心配している。


2020年最大の金融ストーリーの1つは、3月終わりに始まり、底なしだった株価指数に底を与え、指数によっては最高値に導いた、強力な市場回復だ。
考えれば考えるほど、私にはそれが低金利によるものと思えてくる。

マークス氏が13日付の「Memo」で、市場のV字回復を支えた要因について書いている。
同氏は、金利が市場に影響する経路について列挙している。

  1. 景気刺激効果。
  2. 割引現在価値の押し上げ。
  3. リスクフリー金利低下は要求リターンの低下につながる。
  4. 要求リターンの低下はバリュエーション(株価倍率等)の上昇につながる。
  5. FRBは証券買入れで利回りを低下(価格は上昇)させることが可能。
    さらに、流動性供給になる。
  6. 低金利、その継続の見通しはリスク許容度を高めるよう促し、リスクテイクを促す。
  7. 停止した資本市場を再始動させる。

マークス氏はこのメモの中で、ほとんどの投資判断とは相対的なものだと書いている。
最大のリスク調整後リターンを達成するために最も魅力的な選択肢を選択することだという。

だから、中央銀行が市場の一部に手を突っ込み操作すると、他の資産クラスにも波及し、政策の効果がいきわたっていく。
ただし、こういう相対的な視点が必ず正しいとも限らない。

「低いリスクフリー金利は、低い投資リターンでさえ魅力的に見せてしまう。
したがって、今日では、ほとんどの資産が期待リスクや他のすべてとの比較において適切な期待リターンを与えているように見える。
しかし、すべてのものについての予想リターンはこれまでで最低水準にある。」

相対的には妥当なリターンに見えても絶対的な尺度で妥当とは限らない。

マークス氏は、選びうる道が2つあるという。
1つは、リターンを改善するためにより大きなリスクを取る道。
もう1つは、リスクテイクを増やさず、低リターンを甘受する道だ。
マークス氏は、ほとんどの投資家が前者を選ぶと書いている。
年金や基金などを例に、多くの投資家が目標とするリターンを規定している点を一因として挙げている。

それが意味するのは、熱心な資本がリスクのある資産クラスに集中することであり、これはリスク調整後リターンにとって良いことではない。
FOMO(取り残される恐怖)がリスク回避または損失の恐怖によってとってかわられる時、悪いことが起こりがちになるだろう。


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