仮想通貨は安全資産にはならない:ジム・ロジャーズ

ジム・ロジャーズ氏が、従前どおり危機到来説を繰り返し、ドル高を予想した。
一方、危機の際には仮想通貨が役に立つとの考えには否定的な意見を繰り返した。


「長期では米ドルは悲惨なことになると思うが、現時点では莫大な米ドルをロングしている。
金融市場の混乱を予想しており、混乱時にはみんな安全資産に殺到するだろう。
みんな米ドルに殺到し、米ドルが買われすぎになり、バブルになるかもしれない。
そこでうまく売れるよう願っている。」

ロジャーズ氏があるブロガーのインタビューで、従前どおりのドル高予想を語った。
サブプライム/リーマン危機は債務過多が引き起こした金融危機だった。
しかし、その後も世界の債務は所在を少し変えながら拡大を続けている。
ロジャーズ氏は再び危機が起こると予想し、従前どおり「人生最悪の危機になる」と語った。

2008年には、中国はまさかの時のために大金を蓄えていて、支出を行い世界を助けてくれた。
今回は、中国さえも債務を抱え、中国の一部は多くの債務を抱えている。
次回は誰が助けてくれるんだ。

ロジャーズ氏は、米国が世界史上最大の債務国である点を指摘し、長期で見れば投資するのに「最悪の場」と話す。
しかし、短期的には投資家はまだ米ドルを安全資産と考えており、ドルが買われると見ているのだ。
マーケット・タイミングが苦手と自認するロジャーズ氏は、もう3-4年ドル・ロングのポジションを続けていると話した。
率直に、やや早すぎた点を認めている。

ここから、インタビューが脱線する。
インタビュワーは仮想通貨の信者のようで、大きな危機に備えて仮想通貨が買われるストーリーを偉大な投資家から引き出したかったようだ。
しかし、ロジャーズ氏はこの可能性をぴしゃりと否定している。


「今ベネズエラやジンバブエに行って電気を使ってみなさい。
(電気を使えることは前提には)ならないんだ。
北朝鮮でもミャンマーでも、電気がないとはいわないし、インターネットも使えるかもしれない。
でも、電気やインターネットが使えない時にはどうするんだ。
歴史的に、役立ってきたのは何か国際的に認知された携帯できる小さなものなんだ。」

ロジャーズ氏は、金貨・ダイヤモンド・貴重な切手などを例に挙げている。
一方の仮想通貨は、平時には投機の対象となるのみで通貨の役割を果たさず、危機でも役立つ保証がない。
これでは他の「認知された携帯できる小さなもの」より優先して保有する理由は薄い。
ロジャーズ氏は、仮想通貨のセールスに利用されないよう、慎重に言葉を選びながら否定的意見を繰り返した。

「戦争では必ずしもインターネットや電気が使えるとは限らない。
仮にあなたがあなたのインターネットを使えても、それが私のインターネットと同一のものかはわからない。」

このインタビューでは、冒険投資家としての所感も求められている。
世界を旅して回って何を学んだかとの問いに対し、含蓄のある答を返している。

一番単純なことは、どこに行っても人間はみんな同じということだ。

視野の狭い人ほど、同じことより先に違うことを気にするものだ。
視野の狭い人は《今回は違う》と言いたがるし、《この土地は違う》と思い込みがちだ。
そして、多くの庶民は、他の土地や人々が危険であると刷り込まれている。

「『次はどこそこに行くんだよ』と言うと、『なんだって? ばかなことを。慎重にしないと』とみんなひどく怯えるんだ。
みんなを怯えさせることこそ、政治家が好むやり方なんだ。」


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