ジョセフ・スティグリッツ

 

仮想通貨はなくすべき:ジョセフ・スティグリッツ

ジョセフ・スティグリッツ教授が、暗号資産の根絶を唱えている。
さらに、その先に決済の電子化を進めるよう提言している。


私は暗号資産をなくすべきだと考えている。

頑固な正義漢 スティグリッツ教授がCNBCできっぱりと言い切った。
教授はもちろん貨幣経済の効率化に反対しているわけではない。
むしろ、大きく効率化すべきと考えている。
スティグリッツ教授が普及させるべきと考えているのは暗号資産ではなく電子決済を用いた効率的な決済メカニズムだ。

もしもリアルタイムにすべてのデータを得て、人々が何に支出しているかを知ることができれば、私たちはよりよく制御された経済を実現することができる。
FRBは政策金利をもっと効率的に設定することができる。

通貨を電子化し、すべての経済活動が電子決済で行われれば、政策運営者の側から見れば高度な分析・管理が可能になるのだろう。
スティグリッツ教授は、電子決済の利用によりマクロ経済運営が改善できるはずと期待を寄せる。
決済の電子化の先には通貨の電子化も見据えているのだろう。

一方で、すべてが電子化されることには、気味の悪さを感じる人もいるかもしれない。

スティグリッツ教授は、電子化のもう1つの利点を指摘する。
それは、違法行為の手段とされるのを防ぐのに役立つ点だ。
これは高額現金にも暗号資産にも共通する問題だ。

「暗号資産は透明性の高いプラットフォームから暗闇のプラットフォームへと物事を移し替えてしまう。
・・・
世界の富の大きな部分がこの暗闇の隠し場所に隠されている。」


スティグリッツ教授は、暗号資産をなくすべき3つ目の理由を語った。

「米国はとてもいい通貨を持っている。
これまで、この通貨はとても安定的に推移してきた。
誰も暗号資産に手を出す必要などない。」

確かに米ドルは現状のところ最も安心できる便利な通貨だろう。
単に世界中で流通するだけでなく、原油も買えれば、借金もしやすい。
この通貨と比べて暗号資産の何が優れているのか。

「経済学の標準的なコースでは良貨の特質が語られる。
米ドルはそのすべての特質を備えている。
暗号資産はその特質を備えていない。」

スティグリッツ教授の指摘どおり、これまでのところ間違いなく通貨としては(違法行為を目的とする悪人を除いて)暗号資産より米ドルの方がはるかに優れている。
決済手段としても、暗号資産が電子決済や電子マネーより優れているようには見えない。
P2Pなど優れた可能性を持ちながら、その良さが発揮されていると言い難いのは、通常の経済活動であまり使われていない現実から明らかだ。
実際のところ暗号資産を持とうという人のかなりの部分は違法行為かギャンブルを望んでいるのではないか。
社会のルールを守ってギャンブルを楽しむ限り批判すべき話ではないが、違法行為に及んだり、周囲の人間に被害が及ぶようならNoと言わざるをえない。

スティグリッツ教授のメッセージは暗号資産を越えて電子決済メカニズムを見据えている。

だから、私たちが違法行為のないもっと効率的な経済を望むなら、もっと電子決済メカニズムへ移行すべきだ。
監視や監視国家の危険のない電子決済メカニズムの透明性を確保する道を模索しなければいけない。
・・・
私は暗号資産をなくすべきと考えている。


 - 海外経済, 国内経済 , ,