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今見えているリスクの先がまだある:レイ・ダリオ
2021年12月17日

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏は、現在見えているインフレや債券需給の悪化を超えて米経済が問題を大きくするシナリオを語っている。


インフレについて重く懸念している。
創造され、予算に組み込まれたお金と信用の額が大きく増大している。
もしも支出されなければ、それはそれで問題を引き起こし、市場はそれに反応する。

ダリオ氏がYahoo Financeで、社会状況とインフレのジレンマについて語っている。
格差や分断が心配される米社会では、財政支出を切り詰めるのは難しい。
やむにやまれず財政赤字を拡大させるが、これにはインフレ昂進のリスクがある。
しかし、ダリオ氏によれば、リスクは現在見えているインフレや財政赤字だけではないという。

事実上行われているマネタリー・ファイナンスの仕組みをダリオ氏は解説している。

「債券が売られるようになれば、需給が悪化する。
現状が機能している仕組みとは、財務省が借金し赤字予算を執行する。
財務省はお金を生み出すことはないので、債券を発行する。
財務省が債券を発行するのに十分な買い手がいなければ、FRBがお金を刷って債券を買う。」

債券投資家の中には、社会において重要な役割を担う投資家も多い。
年金、保険などがその筆頭だ。
これらの投資家の多くが安定的な運用のためにポートフォリオの一定割合を債券等にあてている。
ところが、インフレ>名目金利 となる金融抑圧の状況ではそれが難しくなる。
債券投資が資産の購買力低下を確定させかねない。
結果、みんな債券から逃げ出そうと考えるようになる。

債券は実質利回りがマイナスで、現金はもっと大きくマイナスだ。
それらが売られ、株式・コモディティなど他の資産に行ったり、他の地域、通貨や不動産のようなものに行けば、債券の需給は悪化する。
(債券に向かう)十分なお金がなければ、FRBが介入し、さらに貨幣を増発しないといけなくなる。

中央銀行がマネタリー・ファイナンスを進めれば進めるほどインフレ・リスクも高くなる。
結果、スパイラルな逃避が起こりかねない。
スパイラルになるなら、後に、今見えているリスクなど氷山の一角に過ぎなかったという破目になる。
ダリオ氏はさらりと、そんな恐ろしい未来を語っているのである。


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