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今後3-5年は過去10年とは異なる多難な時代に:PIMCO
2020年1月13日

債券ファンドPIMCOのヨアヒム・フェルス氏が、米市場が熱狂に傾きつつある中、とても冷めた弱気な見通しを述べている。


今年の見通しは、世界経済が先にいくらか底入れするというもの。
最近グローバルPMIなど先行指標がのいくつかが反転上昇するなど見え始めている。

フェルス氏がBloombergで、世界経済の底入れ時期について予想を述べている。
過去2年について、まず米国以外が鈍化し、次に2019年に米国も鈍化を始めたと説明。
鈍化の局面で、米国以外が先行したと指摘する。

「米国はある意味で世界経済のサイクルに遅行している。
米国は下り坂で遅行したため、鈍化するのが他の世界よりも遅かった。」

米景気のサイクルが世界経済より遅行しているとの説である。
この説の通りなら、成長鈍化または景気後退の局面において米経済が他の経済より良好となることになる。
次に来る底打ちは、米国以外の方が先にくることになる。

今年起こるのは、世界経済が改善を見せる中、少なくとも年前半において米国は鈍化を続けるということ。
その後、年後半に、この緩やかな経済回復の輪に加わるかもしれない。
つまり、世界が先行し、米国が遅行する。

フェルス氏は、過去10年の米経済・市場を振り返る。
過去10年の経済回復を「かなり平均を下回る、山あり谷ありで崩れやすい景気回復、あるいは景気拡大」だったと総括し、「BBB格の景気拡大」と形容した。
ぎりぎりの合格点というわけだ。
一方、市場のパフォーマンスは目覚ましく「AAA格の流動性サイクル」だったとその最大の要因を挙げた。
つまり、市場と経済で成果に隔たりがあったのだ。

これが幅広い資産クラスのバリュエーションを押し上げた。・・・
投資家にとってはすばらしい10年だった。
経済にとっては、それほどすばらしい10年ではなかった。

なんと真面目で慎重で根暗な通信簿だろう。
市場に熱狂・陶酔が立ち込める今でも、フェルス氏の表情はあくまで硬い。
債券ファンドに雇われたエコノミストの面目躍如といったところだ。

フェルス氏の米経済見通しは悲観側に傾いている。
経済こそ今後も「山あり谷ありの平均を下回る崩れやすい景気拡大」が続くと予想するものの、資産にはいっぱいいっぱいのバリュエーションが付いていると指摘する。

これまでほどに高いリターンを上げるのがどんどん難しくなるような時期に入りつつある。
私たちは、今後数年についてはるかに低いリターンを予想している。
次の3-5年についての私たちの趨勢的見通しは、もっと多くの混乱が起こり、もっと大きなボラティリティ、もっと多くのショックが降りかかるというものだ。
これが意味するのは、今後5年間は投資家にとって、過去5-10年間とはとてもとても異なったものになるということだ。

もっとも、PIMCOがこうしたことを言うのは今始まったことではない。
2018年にもほぼ同様のことを言っていたし、ビル・グロス氏の時代まで入れれば2012年にも転換点を示唆したことがあった。
マーケット・タイミングや、分岐点の時期を言い当てるのはとても難しい。


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