今後2-3年の市場・経済リスク増大:レイ・ダリオ

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、今後2-3年のうちに起こることを予想しようとしている。
政治・社会の変化が、市場・経済のリスクを増大させると警戒している。


概して、右翼のポピュリスト(通常、資本家)はパイをどううまく切り分けるかを知らない。
一方、左翼のポピュリスト(通常、社会主義者)はパイをどう大きくするかを知らない。

ダリオ氏が自身のSNSでうまいことを書いている。
読者の多くは《うちのポピュリストはどっちだ?》と問い直したのではないか。

人々が所得・富・機会の格差を強く感じているのに、政府・中央銀行のやれることがなくなってくると、その隙をついてポピュリストが忍び寄ってくる。
彼らにとって左右のイデオロギーも重要だが、それと同様あるいはそれ以上に権力を握ることが大切だ。
《自分は痛みをともなわない改革で社会を治して見せる》と主張し、票を集める。
もちろんそんな道が残っているはずもないのだが、たとえば官僚やメディアから異論が出れば弾圧すればよいのである。
そんなことが世界中で起こっている。
決していい世界とは言えないが、それは人々や社会が選択した道でもある。

「不幸なことに、パイをどう大きくし、どう分ければよいかをよく理解した政策の下で人々を結束させる術を知っているリーダーはまれであり、いても正しく評価されない。
だから、富と機会の格差の問題がうまく平和的に解決されることはありそうにない。」

ダリオ氏は、2つの疑問を提示する。
ポピュリストの支配はいつまで続くのか、対立は政府・経済・国際関係に悪影響を及ぼすかとの疑問だ。
これに対する答は、今後2-3年の間に世界各地で選挙が行われるとともに明らかになっていくはずという。


米国
民主党のアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員の所得増税案、同エリザベス・ウォーレン上院議員の資産税案を引き合いにし、社会の注目が格差問題に集まっていると指摘する。
「こうしたことが資本フロー・市場バリュエーション・経済状況・国内/国際関係に大きなインプリケーションを持つことになるだろう。」

欧州
EU加盟各国の国内外での対立が高まっていると指摘。
「ある国は停滞に陥り、ある国は豊かになる中、通貨統合を支えてきた域内での債務買入れ政策が維持できなくなりつつある。
ユーロ防衛のためにECBが買い入れなければならない債務ミックスの質が低下しているからだ。」
ドイツ国債を買い入れるならECBの負担は(金利リスクを除き)さほど大きくない。
しかし、買えるドイツ国債が枯渇し、より格付けの低い国債まで買い入れなければならなくなれば、ECBの財務健全性が危うくなる。
豊かで高格付けの国には危機感が募っている。

米中摩擦
米中の対立が覇権争いである以上、対立は数十年続くという。
しかし「貿易摩擦」など折り合えるはずのテーマも少なくないと希望を寄せる。
そうした面で、中国はさほど敵対的な姿勢をとらないだろうという。

ダリオ氏は欧米の側ににメッセージを送っている。

1つ欧米の人たちに望むことがあるとすれば、それは自分たちをちゃんと運営しろということだ。


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