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Blackstone 今後12か月の投資のねらい目:ブラックストーン

ブラックストーンのジョー・ザイドル氏が、今後数か月・12か月での環境変化と投資のポイントを解説している。


今度は、上がっているものが下がることになる。
今後12か月のどこかですべてのものについて増加率がピークを越すだろう。
歴史的に、財政支出・金融緩和・民間支出の増加率は、より自立可能だがより低い拡大へと移行するだろう。

ザイドル氏が顧客向け書簡で、今後12か月の投資についてアドバイスしている。

要点は正常化だ。
今後数か月のうちに局面は急回復から正常化に移るという内容になっている。

ザイドル氏は、この過程についていくつかの特徴を挙げている:

  • FRBはテイパリングへ
  • 財政政策の効果にはラグがある
  • 貯蓄率や消費は通常の水準へ
  • 政策だのみでない自立可能な環境へ

ザイドル氏は、今後進む回復過程がリーマン危機後の回復過程とは異なるものになるという。

FRBは前回のサイクルよりはるかに速やかにテイパリングを行い、利上げの目標を達成するだろう。
インフレも前回のサイクルとくらべて高い水準に維持される可能性が高い。

ザイドル氏は、FRBが早い時期に金融政策正常化を余儀なくされると予想する。
基調的なインフレが以前より水準を高めているためだ。
これが、投資や企業経営に影響を及ぼすという。

価格上昇・利回り上昇・政策支援の減少は注目対象を企業のファンダメンタルズに戻し、すべてがうまくいくと予想するある種の『ベータ』戦略にリスクを与えることになる。
この変化は、負け組の隠れ場所を減らしてしまう。
企業が生き残るため安い資本コストに頼ることができなくなり、企業間の差が再び見えるようになる。

ザイドル氏は明記していないが、「ある種の『ベータ』戦略」とは例えばインデックス投資などが当たるのだろう。
分散した銘柄群へのエクスポージャーを取っていては、勝ち負けの差が大きくなった時、負け組の弊害までも引き受けてしまう。
同氏は、投資対象を選別すべきといい、それがチャンスでもあると書いている。

ザイドル氏は、インフレ水準の上昇に根ざした選別のポイントをあと2つ挙げている。
価格決定力と金利だ。

投入価格と人件費の上昇は、特定のセクター、特に価格決定力が限られるセクターの利益率に圧力を与える。・・・
また、インフレ上昇は名目・実質でイールドカーブのスティープ化をもたらす。
これが長デュレーションのキャッシュフローに対する割引率を押し上げ、長年投資家に資本リターンを与えない高リスクの企業のリターンを低下させる。

グロース株では、価値の源泉を比較的遠い将来のキャッシュフローによっているものが多い。
割引率の上昇は、遠いキャッシュフローをより大きく割り引いてしまう。
年初の長期金利上昇においてグロース株が振るわなかったのは記憶に新しい。

逆に、有望なセクターの性質も2つ挙げている:

  • 足元のキャッシュフローが強い(不動産等)
  • 金利上昇の恩恵を受ける(金融等)

ザイドル氏は、ニューエコノミーかオールドエコノミーかという二分法にこだわらず、キャッシュフローを生み出し成長させる銘柄を合理的価格で買うべきと主張する。
目先のノイズに惑わされず、将来を見据えるよう書いている。

今後数か月は、ケインズの言うアニマル・スピリットが経済を駆け巡るため、市場パフォーマンスと経済データの見通しにかなりの不確実性がともなうだろう。
しかし、来る回復の強さを信じ注目点をファンダメンタルズに戻す投資家は、その忍耐と眼力について報われることができるだろう。


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