コモディティ王デニス・ガートマン氏が、今後10年間の投資戦略とトレンドについて語っている。
今後10年、私は30%何らかの形で金を保有する。
30%様々な毎月配当のクローズ・エンドの債券ファンド(たくさんある!)を保有する。
30%コモディティ関連企業を保有する。
最後の10%は新興国市場のETFを保有する。
今後10年間の展望をKitco Newsから尋ねられ、ガートマン氏が答えた。
金、コモディティ株、新興国市場などは、コモディティ王の推奨として当然に聞こえるかもしれない。
実際、ガートマン氏も、今後コモディティの魅力がクローズアップされる経済環境が戻ってくると予想している。
今後10年の最大のトレンドについて語っている。
主導的な、また二番手の中央銀行により現在採られている拡張的政策により、ついにインフレ圧力が戻り、コモディティ市場に回帰する大きなトレンドが起こるだろう。
では、ガートマン氏が2つ目に挙げたクローズ・エンドの債券ファンドとは何を意図したものだろう。
ベテランならこの推奨を聞いて、かつての債券王ビル・グロス氏を思い出した人がいるかもしれない。
グロス氏は2012年終盤、クローズ・エンドの債券ファンドにチャンスがあると言っていた。
「なぜかと言うと、軽くレバレッジがかけられているからだ。
ほぼゼロの調達コストで借り入れ、各々の資産クラスに投資している。
そうすることで、リスクを大きく取ることなく利回りを改善させている。」
現在が金利の底近くにあり、低金利が継続すると予想する際の選択肢なのだろう。
皮肉なことだが、グロス氏は前年の2011年、金利が底を打ったと見て大失敗をしている。
それでも近いうちに金利が底を打ち、しばらく横ばいが続くとみて、クローズ・エンドの債券ファンドを推奨したのだろう。
それから7年、今ではガートマン氏がクローズ・エンドの債券ファンドを奨めている。
本当に金利は底を打ったのか。
低金利は続くのか。
低金利継続とインフレ圧力を同時に予想するのにはやや違和感もある。
ガートマン氏は、米国株市場についても尋ねられている。
長く続いている強気相場はいつまで続くのかとの問いだ。
ガートマン氏は、いつものセリフで禅問答のようにこの問いに答えている。
強気相場は、それが終わるまで続く。
それが、私の45年の市場経験で得た知恵だ。