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ハワード・マークス 今後10年オッズは投資家に不利に:ハワード・マークス
2020年1月16日

オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が、今後10年は投資にとって良い時期ではないと話している。


確率論からいえば(新年・新たな10年は投資するのにいい時期では)ないだろう。
・・・
市場は明日下落することはないかもしれないが、オッズは投資家に有利にはなっていないと考えている。

マークス氏がBloombergで、現在がエントリーの時期として有利な時期ではないと話した。
市場サイクルの重要性を説き続けてきた同氏は、決して画一論的なタイミングの予想はしない。
ただ、確率論的に見て、今が市場サイクルの終期に近いことを感じ取っているのだ。
マークス氏は、理由をいくつか挙げている。

  • 史上最長の強気相場・景気拡大。
  • 企業収益は改善していないのに株価は上昇。
  • いわゆる流動性相場。

その上で「投資家のオッズは3-5年前と比べて悪くなっている」と話した。

マークス氏は、先日公表した『メモ』の内容に触れた。

「『メモ』で指摘したのは、投資には隠れた情報、幸運、能力の要素があるということだ。
問題は、その投資家がどれだけの能力を持っているかだ。
あまり能力がなければ、幸運と情報に頼ることになり、コインを投げるようなものになる。
でも、能力があれば、有利になれるだろう。」

マークス氏は、ルーレットと、ポーカーやブラックジャックには違いがあるという。
ルーレットは(そのルーレットが均一なら)幸運のゲームになる。
(均一でないなら、情報のゲームなのかもしれない。)
一方、ポーカーやブラックジャックには「勝つための科学が存在」し、能力が勝敗に効いてくるという。

本を読んでいない人のほとんどが理論を知らず、勉強しない。
・・・能力を持たなければ、結果を制御できると期待してはいけない。

能力のない人、それを身に着けようという気持ちもない人はどうすればよいか。
お金を払って他の人にやってもらえばいい。
それが投資信託や投資ファンドだ。
しかし、最近では、運用者の付加価値が高いはずのアクティブ運用において、そのコスト・パフォーマンスに対する疑問が高まっている。
パッシブ運用よりアンダーパフォームすることが多いためだ。

「もっと最近では、効率市場における大型株への株式投資が能力のゲームでなく幸運のゲームであることが見えてきた。
だから人を雇ってもいいリターンが出せず、雇うべきでないと思われるようになってきた。
だから、雇っている運用者が例外的な能力を持っているのでなければ、例外的というのは稀有ということだが、代わりに能力を前提とせず手数料もとらないインデックス・ファンドに投資すべきだ。」

つまり、能力なき者はポーカーやブラックジャックでなく、ルーレットを選ぶべきというわけだ。

もちろんマークス氏は、すべてのアクティブ運用に対して否定的であるわけではない。
自社のように能力において市場に勝るファンドの存在価値は揺らがないためだ。
また、インデックス・ファンドの持つ落とし穴についても触れている。

「インデックスになってしまうと、どんな価格も高すぎないように見えてしまう。
・・・『どんな価格も高すぎない』とは、広範囲の誤りによるバブルの究極の兆候だ。」

マークス氏は、どんな投資対象も良くも悪くもなりうるという。
投資対象のあるべき価格より高ければ悪くなりえ、安ければ良くなりうる。

価格は常に大切なんだ。・・・
50年前のニフティ・フィフティ(IBM、Xerox、Kodak、Polaroidなど)では、あまりにも高すぎたために良い企業への投資が悪い結果を生んだ。


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