ウォール街
 

今後10年の米国株市場での投資術:バンガード

バンガードのCIOグレッグ・デイビス氏が、今後10年間での米国株市場のリターンを予想している。
その上で、低リターン時代の投資術として、しっかり遠回りに自社をアピールした。


株式市場は2018年第4四半期の弱気相場の後、今年は好調だ。
しかし、今後10年で見ると、米国株市場に対する私たちの予想は年率リターンで5%のところにメジアンがある。
・・・5年前には約8%と予想していた。
米国株市場について、私たちの予想は明らかに低下している。

デイビス氏がCNBCで米市場の長期リターン予想を述べた。
金融緩和とは将来の需要や投資リターンを先食いする効果がある。
景気拡大と強気相場が長く続き、将来のリターンを先食いしてきた。
逆に今後10年は先食い分を返済することになるのかもしれない。

CNBCは、米国株の歴史的リターンをインフレ調整後で7%と紹介している。
バンガード予想の5%は名目リターンだ。
仮にインフレが2%だとすれば実質リターンは3%と、過去の平均の半分未満になってしまう。

先月亡くなったバンガードの創始者ジャック・ボーグル氏は一昨年、同様のリターン予想を公表していた。
・配当: +2%
・利益成長: +4%
・PER拡大: -2%
・合計: 4%
というものだった。
利益や配当はプラスだが、PERが低下すると見ていたのだ。
金融環境や市場心理がマイナス方向に向かうという予想なのだろう。
(ボーグル氏はPERの寄与を「投機リターン」と呼んでいた。)
4%という数字は今回のバンガードの数字より低いが、遠からずといったところだろうか。


資産価格研究の第一人者 ロバート・シラー教授は一昨年、その後10年間での米国株の超過リターンを予想している。
米国株市場は米10年債に対してわずか25 bpしか超過リターンをもたらさないという仰天の内容だった。
足元の米10年債利回りは3%を大きく割り込んでいる。
これに0.25%を加えれば3%弱だ。
これまた厳しい予想だ。

デイビス氏は短期的な話もしている。
米経済成長率を2%、米企業収益伸び率を1桁の真ん中あたりになると予想している。
そうした前提の下で、足元の米国株市場を「フェア・バリューの上端」と見ている。
また、気になる景気後退入りについて予想確率を話している。
・2019年: 30%から35%に引き上げた。
・2020年: 40-50%。
景気後退入りが近づいているとの印象を強く受ける数字だ。

株式の期待リターンが低く、債券のリターンはさらに低い。
投資家はどうすべきなのか。
デイビス氏は、債券ファンドについて注意を喚起している。

「中期国債のファンドを見ると、手数料を勘案するとすべてのアルファはなくなってしまう。
社債ファンドのアルファも手数料を勘案すると、わずかを残してほとんどなくなってしまう。」

何が言いたいかは明らかだ。
投資ファンド・投資信託に高い手数料を払えば、超過リターンは得られないということだ。
ならば、手数料の安いバンガードをどうぞと言いたいのだ。

投資リターンは今後低くなる。
多く貯め、長く貯めろ。
そして、コントロールできるものをコントロールしろ。
それがコストだ。


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