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今後10年の米国株トータル・リターンは6%:ゴールドマン
2021年8月14日

ゴールドマン・サックスのデービッド・コスティン氏が、今年・来年のS&P 500、今後10年の米国株のトータル・リターンについて予想している。


今年の(S&P 500)見通しは4,700、来年は4,900前後だ。
上昇軌道を予想している。

コスティン氏がBloombergで、今年から来年にかけての米国株の上昇を予想した。
上昇を予想する理由は3つ:

  • 営業レバレッジ: 利益率が向上している。
    今年とパンデミック前の2019年を比べると、名目GDP 8%、売上15%、当期利益34%の増加。
  • 選択肢のなさ: 他に魅力ある投資先がない。
  • お金のフロー: 企業の自社株買いが記録的水準で、個人のバランスシートも強い。

これらの理由から、米国株には持続的な需要が集まり、株価が上昇するという。
一方、10年債利回りは緩やかに上昇し、年末1.6%を予想しているという。

コスティン氏は、株価上昇を主導するのが企業収益か、バリュエーション(倍率等)かと尋ねられている。
これに対し同氏は、PERが予想利益の21-22倍と現状から変わらない予想だとし、企業収益の拡大を予想していると答えた。
ここで1つ逆風があるという。

「私たちが把握しようと努めている主たる変数の1つが来年の法人税率だ。
私たちの予想モデルでは法人税率引き上げを仮定しており、いくらか企業収益の下方修正の可能性があると予想している。」

連邦法人税の法定税率は現在21%。
バイデン大統領の提案は28%への引き上げだ。
これに対し、コスティン氏は25%での着地を予想しているという。
それでも増税だから、当期利益の減少要因になる。
それを跳ね返す要因とは何か。

「十分注目を浴びていない重要な変数は、市場構造の進化だ。
米国株の時価総額の40%は今ではテクノロジーと通信サービスだ。
私たちが値付けしているものの性質は・・・進化している。」

当面の間、テクノロジーなどの分野の成長力が法人増税の悪影響を跳ね返すとの見方だ。

しかし、逆風は企業収益だけに吹くわけではあるまい。
今後、金融政策正常化が進んだり、将来の成長鈍化が意識されれば、バリュエーションにも縮小要因となるはずだ。
コスティン氏によれば、これもテクノロジー株などが当面跳ね返してくれるのだという。

「これら分野は強固な売上成長があり、利益率は25%だ。
だからバリュエーションが今の水準にとどまると考えている。」

コスティン氏はこれまでもテクノロジー株などを強く推してきたから、意外性はない。
ただし、長期の見通しを尋ねられると、同氏は短期の話とは少し異なる響きの話をしている。

これが利益拡大、利益率拡大を続けさせ、基本的にリスクを高める。
独禁法など多くの変数が入ってくる。・・・
今後10年のトータル・リターンは年率6%を前提にすべきだと思う。

今も長期・超長期でドル安が進むと予想する人は少なくない。
こうした人たちからすれば、10年にわたって年6%のトータル・リターンとは、過去とはかけ離れた、さらに低いリターンに感じられるのだろう。


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