投資

今後しばらくは用心すべき:ビル・アックマン
2020年7月24日

パーシング・スクエアのビル・アックマン氏が、米国に強気なスタンスを強調しつつ、今後しばらくは用心すべきと話している。


私たちは長期的にアメリカに強気だ。
私たちは長期的に市場に強気だ。

アックマン氏がCNBCで、米経済・米市場に強気である点をアピールした。

アックマン氏は22日、特別目的買収会社(SPAC)Pershing Square Tontine Holdingsをニューヨーク市場に上場させた。
買収資金調達のための上場SPCである。
募集価格1株20ドルに対し初値が21.10ドル、ニューヨーク市場終値が21.30ドルと、好調なスタートを切った。
このIPOでパーシングは40億ドルの買収資金を調達している。
しかも、現時点では買収先を定めない《白地小切手》によってだ。

こうしたニュースを聞く限り、確かにアックマン氏は強気なのかと納得するところもある。
実際、アックマン氏は、ヒルトン、スターバックス、ロウズ、レストラン・ブランズのポジションを維持しているほか、不動産開発会社へ5,000億ドルの投資を行った点をアピールしている。
中にはコロナ・ショックの影響を強く受ける業種も含まれている。

その一方で、アックマン氏が2月にヘッジのための「信用保険」で大きく稼いだのは記憶に新しい。
だから冒頭繰り返された「長期的に」という言葉を聞き流すべきではない。
実際、アックマン氏は米国に強気と言いながら、「今後しばらくは慎重に臨むべき」と話している。

「現在、ハイイールドのインデックスでショート・ポジションを持っている。
私たちは高いレバレッジのかかった企業について弱気だ。
ある程度、このショートをヘッジと考えている。」

株式でショートするものはないとしながら、ハイイールドでショートをしている。
アックマン氏は、コロナ・ショックからの経済の立ち直りには時間がかかると考えている。
その間、企業の中には厳しい損益状況が続くところもあろう。
その時、もしも債務依存が大きければ、その企業は存続をかけたサバイバルを強いられることになる。
だから、そうした企業の発行する債務であるハイイールドにはダウンサイドがあり、ショートすることでヘッジになるのだ。
アックマン氏は、このヘッジで「儲かるかどうかはわからない」と、2月の再現を見込まないスタンスを暗示している。

(一方、株式をショートしないのは、ショート・ポジションのダウンサイドに底がないからなのかもしれない。
株式をショートし、仮に株価がさらに上昇すれば、損失や出遅れが大きくなることになる。)

私たちは(預かった資金の)80%を投資している。
20%の現金を私たちの上場主体が保有している。
(ネットでは)約98%のロングとなり、この主体にレバレッジがかかっている。

投資家から預かったお金は全部投資するという方針なのだろう。
しばらく用心しなければならないと自覚しているから、ヘッジをかけつつの運用になっているのだ。


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