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今回だけでは終わらない:ジェレミー・シーゲル
2021年12月1日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授は、遅ればせながらインフレへの危機感を示したFRBについて、来年の展開を予想している。


「これは(株式にとって)意味があるだけでなく、大きく遅れた発言だ。」

シーゲル教授がCNBCで、パウエルFRB議長の発言についてコメントした。

パウエル議長は30日、これまで「一過性」としてきたインフレについて、昂進リスクが高まり、「一過性」と表現するのをやめる時期に来ていると発言した。
FRBのこうした軌道修正についてはシーゲル教授は以前から予想をしていた。
今月発表のCPI統計を受け、FOMCで方向転換するというシナリオだった。
それと比べると、パウエル議長の軌道修正は2週間ほど早まった。
シーゲル教授はFRBの意図を解説する。

「FRBはFOMCで人々にショックを与えたくないのだろう。
市場をならしておこうというものだ。
今日はっきりしたのは、テーパリングが加速されるということ。」

シーゲル教授は、パンデミックが発生し異例の財政・金融政策が採られると、いち早くインフレ昂進・株価上昇を予想した。
民間に配られた莫大なお金が実体経済・金融市場の両方で価格上昇を引き起こすとの読みからだ。
インフレについてはマネーサプライの伸び(ある指標では25%程度)が3年程度でインフレに転化すると予想した。
このため、FRBは一刻も早くテーパリングを終了させるべき言ってきた。
インフレを止められるのはテーパリングでもなく、その後の利上げと考えるからだ。

シーゲル教授は以前から、FRBがタカ派寄りにスタンスを変えれば、株式市場に調整が入ると予想していた。
30日はまさにそうした印象のある相場だった。
シーゲル教授は、スタンス変更が今回だけに終わらないと話している。

今のインフレはこれからも続くだろうが、何もやらないよりは遅くてもやった方がいい。
インフレは今後1年よりはるかに長く続き、FRBが今考えるよりはるかに蓄積するだろう。
だから(FRBは)2022年さらにタカ派側に軌道修正することになろう。

市場が織り込んでいない軌道修正は売り材料となりやすい。
それでも、シーゲル教授は2022年のS&P 500予想を5,000への小幅上昇とし、最近まで自身がまだフルインベストだと話していた。


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