グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード氏はコロナ変異種の感染が昨年並みに増大するとして、リスク資産市場の荒れる展開を警告している。
デルタ変異種について出てくるデータは極めて心配で、あえていうなら、昨年のデータと似ている。・・・
週次の症例数の増加は、コロナ感染の急増が始まった昨夏から秋にかけての状況と似ている。
マイナード氏が自社ウェブサイトで、デルタ変異種が昨年のようなパンデミックに発展する可能性を心配している。
同氏は単純な算数を説明する。
米人口の約半分がワクチン接種を済ませているが、一方で、デルタ型の感染力は初期型の2-3倍ある。
結果、昨年と同様のパンデミックが起こりうるという。
その一方、マイナード氏は、昨年より良い変化もあるという。
- ワクチン接種や罹患を済ませた人が増えた。
- マスク義務化の動き。
- 財政・金融政策による対応に躊躇がない。
- 昨年来の貯蓄増がバッファーとして働く。
しかし、こうした良いニュースは諸刃の剣だ。
良いニュースは人々に根拠のない楽観を生むことがある。
マイナード氏は、仮に再び感染が急増した場合の政府の対応について持論を述べている。
政策立案者は、迅速に対応し経済をロックダウンするか、それとも、状況がもっと悲惨になるまで反応せず経済をロックダウンしないかだ。
今は、用意周到な取り組みが望まれているだろう。
デルタ変異種のブレークアウトが何か深刻な経済問題にならないようにする反応関数は、おそらく良くない。
マイナード氏は、対応が後手に回らないよう、ある程度経済に悪影響が及ぶのを承知の上で、前倒しの対処をすべきと言っているのだ。
CNBC出演では、部分的な「経済のロックダウン」が行われると予想している。
結果、これが市場に影響を及ぼす。
「結末について私は読み違えているかもしれないが、みんなが認知的不協和を超えて、パニックへの遷移やリスク低減に動けば、現在の極端なバリュエーションではリスク資産は問題となるだろう。・・・
結末が昨年ほど厳しいものでない場合でも、市場が不確実性の水準の上昇を織り込むにつれ、今後数週・数か月ボラティリティが大きくなるだろう。」
悪いことに、8-10月は株が弱い季節。
良いことに、マイナード氏は以前から、さらなる長期金利低下を予想している。
マイナード氏は最後に、とても感覚的な要因を付け加えた。
結局のところ、市場と経済に関する限り『今より良くなりえない』状況にある。
もしそうなら、おそらくそこが売り時なんだ。