投資

ハワード・マークス 今やるべきコト、選ぶべきモノ:ハワード・マークス
2020年12月29日

オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が、コロナ禍の中で不安を抱えるビジネススクールの学生・教授らからインタビューを受けている。


「Q. (学生)あなたが今学生だったら何をしたでしょう?

A. もしもあなたの現状が私と同じようなものなら、基本的に時間がたくさんあるということになる。」

マークス氏がウォートン校のウェブキャストで、学生や教授からの質問に答えた。

あなたは以前よりもたくさん読書をすべきだ。
幅広い読書、それが職業キャリア、特に投資のキャリアにとって最良の準備になるはずだ。

マークス氏は、投資に関する本だけでなく、例えば科学の本も読み、両者の類似点を探せば有益だという。
また、1月の「メモ」でポーカー等のギャンブルに関する本から投資へのインプリケーションを引き出したことに言及している。
マークス氏は8月のインタビューで、古典から最近の本まで4冊の書籍を推奨しているが、この4冊目がポーカーについての本だった。

Q. (学生)投資のキャリアを今始めるとしたら、どの分野を選びますか?

A. 一番重要なのは、自分にあったことをやることだ。
キャリアの方向を模索しているなら、一番重要なのは、自分の強みが必要とされ、弱みが必要とされない何かを探すこと。
そして、楽しめることをやること。

マークス氏は、強みが生きる、好きなことをやるべきと説いた。
これは多くの偉大な投資家が口々に話すことでもある。
何となく当たり前のように聞き流してしまいがちだが、1つとても重要なことがある。
ほとんどの成功者は《儲かることを探せ》とは言わない。

「特に、投資はあなたの性格と合っていないといけない。・・・
私の性格は分析的で慎重で、背中を押されないとリスクを取りたがらない。
だから、クレジットが私にはあっている。」

シティバンクで株式リサーチ部門に配属された若きマークス氏は、1970年代のニフティフィフティの没落により活躍の場を奪われ、クレジット部門に転属となった。
そこでディストレスト債と出会い、同分野の先駆けの1人として成功を収めていった。
たまたま転属になった部門が同氏の性格にあったのだ。
ある分野の先駆けとなるには相応の努力が必要なのだろう。
それをやり切るためにも、やはり性格が合っている、楽しめることが大切なのではないか。

金融機関勤務の経験がない人には理解しがたいかもしれないが、商品分野によって人々のメンタリティは大きく異なる。
株式をやっている人は例外なく良い話から話し始める。
フィクスト・インカムをやっている人の多くは、リスク要因から話し始める。
それが仕事なのだ。

マークス氏は、様々な分野の人材の生態をこう描写した。

  • クレジット: ダウンサイドだけを考える仕事。
  • 株式: 楽天家でないとだめ。
  • ベンチャー・キャピタル: 本当の夢見る人。

性格に合わない分野に携わり、スタイルに違和感を感じるようなら、仕事も苦痛になってしまうだろう。

マークス氏は、中国市場への取り組みについても質問されている。
その答えとして、世界市場をうまい具合に分類し説明した。

  • 日欧: 最盛期を過ぎた高齢者。
  • 米国: 成熟し元気だが、最良の20、30、40代は過去のもの。
  • 中国: ティーンエイジャー。

マークス氏はこう分類した上で、中国市場に積極スタンスで臨んでいると話している。

家族にティーンエイジャーがいたことのある人ならわかるだろうが、嵐が吹き荒れ、混沌とし、浮き沈みがあるものだ。
しかし、同時にティーンエイジャーにはとても素晴らしい未来が待っている。

マークス氏のたとえ話はいつも適格だ。
いつもこんなことばかり考えているのだろうか。


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