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今はサイクル終期の一時停止にすぎない:ブラックストーン

Blackstoneのジョー・ザイドル氏が、米市場のメルト・アップの可能性について否定的な意見を述べている。
一方、まだ市場サイクルの終わりではないとし、現状を「サイクル終期の一時停止」と形容している。


持続したメルトアップ – 株式の高値更新とクレジットのスプレッド縮小 – は短期的にはありそうにない。
今の市場はゴルディロックスを演じており、今年さらに大きな上昇を見せるのに『ちょうどいい』状況にはないと考えている。

ザイドル氏が自社ブログで、米市場で近いうちにメルト・アップが起こる可能性に否定的な考えを示した。

FRBがスタンスをハト派的に変化させるにつれ、市場が《最後のひと上げ》を演じるのではないかとの観測も増えてくる。
中央銀行が金融引き締めを行えば、当然、経済・市場に変化が起こる。
中央銀行は景気後退を招きたくはないから、どこかで引き締めの手を緩め、あるいは緩和にさえ転じる。
それが景気・市場サイクルの終期にリスク資産のメルト・アップを引き起こす。
今がそれではないかとの期待を抱く投資家が増えている。

ザイドル氏は、近時にはメルト・アップが起こらないと予想し、その理由を3つ挙げている。

  • FRBは本当に市場を救うのか?
    「S&P 500が年初来で16%上げている時に『FRBプット』がありうるのかは明らかでない。
    私たちはその賭けの逆の見方をしている。」
  • 貿易摩擦の先行きは依然不透明
    「ただ1人、トランプ大統領のみが何をもって(交渉の)進捗として受け入れられるか知っており、後の私たちは推測するしかない。」
  • 企業収益に下方リスク
    (製造業PMIなど)「収益成長の先行指標は引き続き悪化しており、収益後退のリスクがあること、利益予想が下方修正される可能性があることを示唆している。」

ザイドル氏は、こうした点について市場が楽観しすぎているという。


「FRBが75 bp相当の利下げをし、貿易摩擦が自然と解決するとの期待が試されている。
経済成長はトレンドに近く、インフレはやや弱く、貿易相手国は継続中の対立に備えている。
市場はここから持続的な上昇を重ねるとは考えにくく、投資家は株式の下落やフィクスト・インカムのクーポンより少ないリターンに備えるべきだ。」

ただし、ザイドル氏は弱気スタンスに転じたわけではない。
サイクルは終わろうとしているのではなく、「サイクル終期の一時停止」と考えているという。

ブラックストーンは年初、バイロン・ウィーン氏の「10のサプライス」において今年S&P 500が15%上昇すると予想した。
当時まだ市場には弱気の風が吹いており、ブラックストーンの強気姿勢は市場で突出した存在だった。
ところが、その後の市場の回復で15%上昇はすでに消化されてしまった。
ブラックストーンは、とりあえず材料分の上げは済んだと見ているのだ。
これ以上の上げは、新たな材料をともなわない限り、行き過ぎとなる可能性が高い。
しかし、これがサイクルの終わりでもないということなのだ。

では、「サイクル終期の一時停止」とは何を意味するのだろう。
ザイドル氏は決して弱気ではない喩えで説明している。

午前3時に起きるようなもの。
寝床に戻るには遅すぎるが、起きるのには早すぎる。
かわりに、私たちは暗がりを慎重に歩かなければならない。


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