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今はまだ野村やクレディスイスだけ:モハメド・エラリアン

アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏が、米ヘッジファンドの破綻懸念に端を発する、野村ホールディングやクレディスイスでの損失発生について注意点を解説した。


「これは(構造的でなく)偶発的なものに見える。
偶発的で、大きなポジション、大きなレバレッジ、さらにデリバティブがオーバーレイされていた。
速い伝染、どれだけすぐ波及効果が及んだかを見ると、悪くなさそうで、限定的に見える。」

エラリアン氏がCNBCで、米ヘッジファンド、アルケゴス・キャピタル・マネジメントのポジション解消にともなう市場の混乱についてコメントした。
アルケゴスは与信を受けていた金融機関からのマージン・コールに応じることができず、資産売却を迫られていた。
先例のない規模のブロックトレードによる売却が行われるなど、先週末にかけて市場の注目を集めていた。

マージン・コールに応えられないぐらいだから、アルケゴスのポジション解消は決してハッピーなものではないだろう。
その過程で、金融機関の中に損失を被るところも出てくる。
(大口与信をしていた金融機関は金額の多寡こそ違えど、いくらか損をするのだろう。)
すでに大きな金額の損失発生の可能性を認めているのが野村ホールディングスとクレディスイスだ。
ただし、両社の財務基盤にくらべ、アルケゴスによる損失規模はさほど大きなものではない。

エラリアン氏が「限定的」というのはこのためだろう。
しかし、安心するのはまだ早い。

これは幅広い市場にとって朗報だ。
現在疑問なのは、ゆっくりとした伝染の力だ。・・・
金融ポジションは引き締まるのか?
銀行は慎重になるのか?

アルケゴスに限っていうなら、その深刻度は大きくない。
しかし、それが新たなアルケゴスを生み出すかもしれない。
金融機関の態度が厳格化し、新たなファンド破綻が起こらないか。
新たなファンド破綻が、新たな金融機関の損失を生まないか。
それがスパイラルに起こらないか。
もしそうなるなら、金融システムは耐えきれるのか。
現時点ではテール・リスクなのだろうが、無視すべきではないのかもしれない。

エラリアン氏は、過剰な流動性の存在が今回の遠因にあると指摘する。
潤沢な流動性が、市場の規律を緩めていたという。
同氏は今後も「このような軽い接触事故」があるだろうと予想する。

これは小さい。
LTCMのようなものではなく、小さな事故だ。
でも、注視しないといけない。
みんな高速を本当に飛ばしているから。


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