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今の世界で最大の裁定機会:ブリッジウォーター
2021年8月27日

ブリッジウォーター・アソシエイツのグレッグ・ジェンセン氏が、目下の市場の最大のリスクの所在を指摘し、政策が与えてくれる絶好の裁定機会について解説している。


私たちがMP3と呼んでいる金融・財政政策の融合が生み出している帰結は、もはや中央銀行が望むものではなくなっている。・・・
現在、FRBは金利を制御できており、財政政策を通して名目GDPを制御できている。
しかし、それには結果がともなう。
インフレ上昇、バブル、最終的には通貨リスクだ。

ジェンセン氏がBloombergで、米経済政策の功罪について指摘している。

米金融・財政当局は確かに彼らが重要と称している指標をグリップできているように見える。
短期金利はもちろん、長期金利についても極めて低位に維持されている。
また、政府支出を増やせばGDPは増えるし、FRBはそれを支援するために資産買入れを行うこともできる。
しかし、もちろん低金利自体が国民の幸福を表す指標ではないし、公共部門の支出で膨れるGDPを経済成長と呼ぶかどうかは定義の問題にすぎない。
一方で、あらゆる政策は程度の差こそあれコストをともなう。

ジェンセン氏はこれから支払うことになるだろう3つのツケのうち2つはすでに顕在化していると話す。

「明らかに金融市場のいくつかの分野でバブルが発生している。
インフレは目標を大きく上回り、FRBが動かなければ、加速し続けると考えている。・・・
このため、私たちは市場が現在予想するより速くテーパリングと利上げが進められると予想している。」

こうしたジェンセン氏の経済・市場の見方を踏まえ、キャスターは投資戦略をどう考えるべきか問うている。
ブリッジウォーターの6月末の13Fによれば、同社はコカコーラ、ウォルマート、ジョンソン&ジョンソンなど優良株の保有を増やしている。
これは、経済・市場の見方とどうつながるのか。
ジェンセン氏によれば、金融・財政当局が絶好の裁定取引のチャンスを与えてくれているという。
裁定の機会を与える温度差とは、高い名目GDP成長率と低い金利の間の矛盾である。

だから、名目GDPのように動くキャッシュフローを得つつ、リスク・ヘッジに役立つ米国債ショートほかの金融商品によるヘッジをすればよい。
主たるリスクとは、FRBがみんなの予想より早く金融引き締めを行うこと、資産市場を支えバブルを生み出した流動性が引き上げられることだ。
名目GDPとともにキャッシュフローや利益が改善する銘柄は大丈夫だ。

13Fで開示された優良株が、名目GDP拡大の恩恵を受ける銘柄ということだろうか。
13F(ロングのみの報告)の外で、米国債ショート等をしているということだろうか。

ジェンセン氏は、現在の市場におけるリスクについて、深刻度を吟味している。
デルタ変異種の拡大もあり、消費や経済の先行きへの心配をする声もあるが、同氏によれば最大のポイントはそこではないという。
政策決定者の選択肢は多くなく、市場も(おそらく正しく)足元を読んでいるためだ。

ウィルス感染状況が悪化すれば、金融緩和と財政による支援策がとられる。
だから、市場にとっての最大のリスクは景気停滞の方ではないんだ。
そうなれば政策対応があることはわかっている。
もっと大きなリスクは、中央銀行がみんなの予想より速く引き締めを行わざるをえなくなるようなインフレやバブルなんだ。


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