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グッゲンハイム スコット・マイナード 中央銀行はQEの終わり方を知らない:スコット・マイナード
2021年5月21日

グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード氏が、足元の米インフレ上昇を読み解き、市場の利上げ織り込みが楽観的(あるいは悲観的)すぎると指摘している。


記録的な財政刺激策・FRBによる超緩和的金融政策・継続する供給面のボトルネックを踏まえ、市場はこれ(コアCPI上昇)をインフレ上昇の持続的トレンドの開始と考えているようだ。
しかし、つぶさにデータを眺めてみると、この物価急騰は経済再開にともなう一時的調整であると思われる。

マイナード氏のオフィスが公表した19日付レポートにはこう書かれている。
レポートは、コアCPIが前月比92 bp上昇した要因分析を示している。

  • 一時的要因: 92 bpのうち54 bpが中古車、レンタカー、航空運賃、ホテルによる。
    これらはコアCPIに占めるウェイトが約5%にもかかわらず、大きく寄与している。
  • 持続的要因: 家賃や医療はほとんど上昇していない。
    これらのウェイトは49%。

つまり、一時的要因によるインフレ急騰だからじきに落ち着くといいたいのだ。

なんと興味深いことだろう。
この議論は、まさにローレンス・サマーズ元財務長官のインフレ懸念発言の裏返しだ。
同氏の場合、一時的要因のウェイトは小さいから今後の下げへの寄与も小さくなる、ウェイトの大きな持続的要因は今後上がってくる、との理由でインフレが上昇しうると話している。
同じ事実でもそこから導き出される将来予想は真逆になりうるのだ。

サマーズ氏は学者であり元閣僚だ。
失敗を回避するために複数のシナリオを用意し、どれも無視しない。
一方、マイナード氏は(投資家タイプではなく)トレーダーだ。
山を張って張って張りまくる。

マイナード氏が導き出した投資へのインプリケーションは、FRBが市場予想よりはるかに長く動かないというものだ。
19日に次のようにツイートしている。

FOMC議事録におけるテイパリングに関するコメントにより引き起こされた、今日(19日)の債券の売られこそ、FRBがテイパリング検討を考えさえしないようにする必要性を証明するものだ。
QEは今日、正統的な金融政策の一部となっているが、中央銀行はいまだにどうやって終わらせればよいのかを知らない。
前回のFOMC後に発表された4月の雇用統計は、FRBがQEテイパリングの議論を議論し始めるのに必要な『急速な進展』のようなものからほど遠かった。
QEテイパリングについてどのような形であれ話すことが債券市場に広く売りを引き起こすことは、2023年末までのFRBによる数回の利上げ織り込みについて市場があまりにも楽観的すぎる理由を示している。

マイナード氏のコンセンサス破りの予想がまた上がるなら、リスク市場は市場が予想する以上に大きく長く上昇を続けるということになろう。


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