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中央銀行の範疇じゃない:モハメド・エラリアン

Allianz首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏が、非伝統的金融政策の限界を指摘した。
長く続ければ効果が下がりコストは上がるとして、他の政策への移行を促した。


私たちは何度も何度も説明してきたが、各国中央銀行は無理して政策の重荷を担ってきた。
彼らの手段を超えているし、中央銀行の範疇じゃないんだ。

エラリアン氏がBloombergで、世界金融危機後のいびつな経済政策について指摘した。
本来、金融政策の役割でないことまで金融政策に押しつけるような政策ミックスが続いてきた。
米国では財政政策がようやく行われ、その間FRBは一息ついたが、今また中央銀行へのプレッシャーが大きくなりつつある。
エラリアン氏はこうした金融政策だのみが本来の機能・役割分担からしておかしいと言っているのだ。
たとえ聞き入れられなくても、何度でも言い続けなければいけないと話した。

エラリアン氏によれば、非伝統的金融政策を用いる時は3つの観点から注視すべきという。

ケネス・ロゴフだけでなくベン・バーナンキも2010年に警告していた。
マクロ経済対策として非伝統的金融政策を用いる場合、効果・コスト・リスクが重要だ。
長く続けるほど効果は減りコストが高くなる。

エラリアン氏は、効果とリスクだけでなくコストという観点を重視している。
リスクとはそれが実現しないうちはさほど大きなマイナスにならない。
しかし、コストとは効果の裏側ですでに発生しているのだ。

エラリアン氏によれば、ECBのマイナス金利政策はすでに効果/コストのバランスが悪化しているという。

「1つ目は、伝達経路が消耗していないとしても伸びきっている。
2つ目の理由は、マイナス金利を長く続けると金融セクターの信用創造、長期的な財務的保護付与の機能を弱めることだ。
これは家計のリスク回避を高めることとなり、今経験していることだ。」

エラリアン氏は、ECBがこれ以上できることはせいぜい時間を買うことにすぎないという。
同氏は、欧州経済を、痛み止めの点滴を受けているが本質的な障害の手当ては受けていない患者と喩えている。
長く痛み止め(金融緩和)を続ければ
・依存する
・副作用が悪化する
といい、痛みは軽減されてもコストが大きいと話した。

FRBの理事候補に実業家の名前が挙がっていることについては、米社会における大きな現象の一部との見方を示している。

「これは、人々が専門家の意見を信用しなくなった、大きな現象の一部だ。
人々は経済の専門家を信用しなくなった。
こういう意見からすれば、経済のポジションに経済学者以外が就いてもいいとなる。
これはもっと幅広いことの現れなんだ。」


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