海外経済

中央銀行に訪れる究極の選択:ヌリエル・ルービニ
2020年7月3日

ヌリエル・ルービニ ニューヨーク大学教授が、いつもの通り真っ暗すぎる将来を予想している。


私が大恐慌を予想するのは2020年だけではなくて、2020年代の10年間の話だ。・・・
私は、混乱と経済的困難の致命的な10のドライバーを指摘した。
この混乱と困難は、世界金融危機後に始まりコロナ・ショックで悪化した。

終末博士ルービニ教授がYahoo Financeで、この10年間が大恐慌になりうると陰鬱な予想をしている。

教授は2018年10月の時点で、今年過酷な金融危機が起こると予想し、理由を10挙げていた。
その中の9つ目は米国によるイラン攻撃であり、これが今年の初めに的中したことで、多くの人を驚かせたのは記憶に新しい。

ヌリエル・ルービニ:2020年には金融危機の条件が揃う

ルービニ教授は、米政府が当面の危機を防いだ点を認めている。
しかし、その手段を見た時、いつまでも続けられるものではないと指摘する。

GDPの10-20%に及ぶ財政赤字は続けられない。
大きな財政赤字を短期的にマネタイズすれば、財・労働・不動産・エネルギー・コモディティにたるみがあるうちは恐慌・デフレを防ぐことができるが、長い時間たてば負の供給ショックが起こる。

ルービニ教授は、負の供給ショックを引き起こしうる2つの源泉を挙げている。

  • グローバル化・技術革新の逆回転: これまでインフレを抑止してきた要因が保護主義・デカップリングで逆回転を起こす。
  • 財政赤字のマネタイゼーション

ルービニ教授は、これら要因により「インフレの魔物が瓶から出てしまう」と予想し、1970年代にあった負の供給ショックの例を話した。

「1970年代には2度の石油ショックという負の供給ショックがあった。
マネタイゼーション、赤字国債による財政赤字穴埋めにより、1973年、1979年の後にスタグフレーションになった。
私たちはそうしたリスクに直面している。」

ルービニ教授は、経済停滞とインフレが同時に起こるスタグフレーションでは、中央銀行が最も恐れる選択を迫られることになるという。

  • インフレ退治のため金融引き締めを行えば景気・雇用を悪化させる。
  • 経済成長を優先すれば「インフレが制御不能になり、ゆうに2桁になるだろう」。

終末博士は淡々と将来を予想する。

もしも私が正しいなら(今後数年で)供給ショックが起こり、経済成長が低下し、コストとインフレが上昇し、この政策のジレンマに行き着くだろう。


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