海外経済

中国恒大問題の本当の深刻さ:ジム・チャノス
2021年9月25日

長らく中国関連のショートを続けてきたキニコス・アソシエイツのジム・チャノス氏が、恒大集団の債務問題についてコメントした。


多くの点でリーマン危機のような状況になると心配する必要はないが、多くの点でもっと悪い。
これは経済モデル全体(の問題)の表れであり、経済モデルの背後にある債務の表れだ。

チャノス氏がFTに、恒大問題の深刻さについて語った。

恒大の債務問題については、一部で中国にリーマン危機を引き起こすとのセンセーショナルな予想があったものの、多くはその可能性が低いとの見方だ。
リーマン危機では証券化商品を通して信用リスクが複雑に何層にもわたり伝播する構造があった。
恒大の問題では、伝播の範囲は大きくないと思われている。

しかし、チャノス氏の観点は少し異なる。
中国政府がバブル封じのために不動産セクターのレバレッジを制限しようとすれば、別の重い課題を抱えることになるという。

伝播が起こり、みんなが他者への貸出をやめてしまったリーマン危機のような状況ではない。
もっと経済モデルのリスクだ。
居住用不動産はいまだに中国GDPの大きな部分を占めている。

チャノス氏が言いたいのは、中国GDPの29%を直接・間接に構成する不動産セクターを制限すれば、経済自体が成り立たなくなるリスクだ。

チャノス氏が中国関連のショートを続けてきた根拠は、同経済が大きく不動産開発に依存しており、結果、経済成長のために債務拡大が避けられないというものだった。
一方で、内需を抑えて外需を拡大すれば、貿易不均衡の問題が悪化しかねない。
チャノス氏は、中国経済が低迷すれば、新興国など資源輸出国にも影響が伝播すると予想してきた。

チャノス氏は今回FTに中国としての打開策を語っている。

新たな成長ドライバー(を探す)か、半永久的に成長を低めにシフトするか

ショート・セラーが言うほどに悲観すべきではないかもしれないが、中国の置かれた状況は決して楽観できないのかもしれない。
それは1990年前後に不動産バブルの崩壊を迎え、低迷期に入った日本が一番よく理解できるはずだ。
中国経済は今、成長のドライバーの一角を半ば諦めろと言われているのかもしれないのだ。


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