中国は趨勢的な低成長経済へ:ケネス・ロゴフ

元IMFチーフ・エコノミスト ケネス・ロゴフ ハーバード大学教授が、2019年の世界経済の見通しを語っている。
中国が最大のリスクである一方、米国は良好な推移が見込まれるという。


「疑問の余地なく、中国経済の減速だ。」

ロゴフ教授がBloombergに語った。
教授によれば、現在の停滞は一時的な減速ではないのだという。
長い間不可避だった停滞がついに訪れたのだ。
先延ばしするために多くの大規模な刺激策が講じられたが、ついに勝負がつきつつあると示唆した。

「(減速は)もっとファンダメンタルズに根差したものであり、生産性向上の動力が切れたんだ。
中国の問題の根本は、経済をより革新的にし消費主導にするため、経済を脱中央集権化しなければならない点にある。
中国は権力と意思決定を中央集権化する一方、民間セクターを弱体化させている。
みんな捕まるのを恐れている。」

ロゴフ教授によれば、中央集権的な政府と動的な経済の組み合わせはうまくいかないのが通例だという。
国有のゾンビ企業のために資金を拠出するなどは矛盾の典型で、決して高成長のための政策にはなりえないと批判。
長い目で見て中国は低成長経済になると予想した。

ロゴフ教授は、中国社会自体がある局面を迎えたのだと話す。


「中国経済には、建設に依存しすぎているというように簡単には言えないバランスの悪さがある。
1人あたり住宅建設床面積が途上国なのにドイツと同程度と大きい。
中国は行き着いたんだ。
習主席が約束した改革で時間延ばしはできるだろうが、それが降下トレンドを恒久的に変えるとは考えるべきでない。」

中国経済の停滞が今年の世界経済の重しになるとロゴフ教授は予想する。
決して金融危機のようなことが起こるわけではないが、中国への輸出に依存するドイツや新興国はつらい年になるだろうという。
こうした国々は中国への依存体質を変える必要に迫られていると指摘した。

一方、米経済は順調だと太鼓判を押す。
政府は一生懸命自分の足を撃とうとしているが、経済は良好で、FRBも軌道修正をしてくるだろうと期待できるからだ。
FRBに対する批判の原因はコミュニケーションの問題にすぎないという。

「私は米経済が今年順調と考え、2-3回の利上げを予想している。
FRBのメッセージの問題は、彼らが『データ次第』と言わなかったことだ。
そう強調しなかった。
FRBの予想は民間セクターに比べはるかに楽観的だ。」

(今となっては、ロゴフ教授の予想も民間よりはるかに楽観的だ。
FRBや高名な経済学者と市場の間でこれほどの差が出るのは不気味だ。
市場はともかく、それほど米経済は強いということなのか。)
FRBは「データ次第」と言っておけば、FRBの強気予想が強気すぎるとなった時、ハト派側に軌道修正できる。
それを言わないから、市場は疑心暗鬼に陥ったのだ。
ロゴフ教授は、FRBに景気をオーバーキルしないよう注文を付けている。

私たちは再び大きなインフレを被ることになろう。
それまではFRBは忍耐強くなければいけない。


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