中国の米国債売却も除外できない:レイ・ダリオ

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、通貨戦争・米中摩擦についてコメントした。
米中摩擦の材料として中国が米国債売却を持ち出す可能性も否定できないのだという。


米国が通貨安のため為替介入の状況に入るかもしれないことへの心配が増えている。・・・
可能性が高いとはいえないが、長期債務サイクルの終期には、現在のように金利も量的緩和も効果が低減する。
自国通貨安が経済刺激の共通の手段になる。

ダリオ氏がCNBC通貨戦争が広まると予想する理由を語った。

長期債務サイクルの終期、過剰債務に苦しむ多くの国々には財政政策の余地が小さくなっている。
また、債務拡大を支えるために金融環境はすでに緩和的な状況にあり、金融政策の効果も低減している。
その中で残された手段として、競争的な通貨安誘導が起こるというのだ。

ダリオ氏は日銀を例に挙げ、日本の金融緩和がお金の値段を安くするとともに通貨安を狙ったものであると指摘している。

一方、トランプ政権による中国の為替操作国認定については的を射た話ではないようだ。


「明確にしておくと、中国人民銀行は通貨(人民元)を押し下げてはいなかった。
これは為替操作ではない。」

ダリオ氏は、中国の為替管理が為替レート安定のためのレンジの設定だったとし、人民元安を狙ったものではなかったと指摘した。
一方で、もっと危険なシナリオに言及している。

米中は単なる貿易相手国であるだけでなく債務者と債権者の関係にある。
これが危険だ。

中国が保有する米国債を武器にすると思うかと尋ねられると、ダリオ氏は答えている。

その可能性は除外しない。

中国が米国債を売り浴びせれば、米金利は急騰し、米財政・米経済は破綻に瀕するだろう。
もちろん、中国も大量な手持ちの米国債が減価することで大きな痛手を受ける。
だから、中国は米国債を売らないと考えられている。
しかし、少なくとも中国は米国と刺し違える手段を持っているのだ。
厄介なことに、中国がその手段を実行すれば、中国と並んで大量に米国債を保有する日本も巻き添えを被ることになる。
3か国ともに壊滅的な打撃を受けることになろう。

ダリオ氏は、国々が対立するうちに、互いに傷つけあう国際社会に変化しつつあることを心配している。

「どうやったら相手に最大の損害を与えられるだろう?
中国はそういうことをやらせたら賢い。」

ダリオ氏はどちらが勝者になるかは予見できないとしながら、対立が続けば世界経済が痛むことだけは明らかだとコメントしている。


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