政治

世界一自由な地を心配するより:ピーター・シフ
2019年12月2日

ユーロ・パシフィック・キャピタルのピーター・シフ氏がいつものように強烈な皮肉を自国に向けているが、この皮肉がいつもの通りよくできている。


米国が中国や香港を批判することについて本当に私がイラつくのは・・・

ロシア国営RTから米議会・トランプ大統領が香港人権法案を成立させたことと米中交渉の関係についてコメントを求められ、シフ氏は質問への答もそこそこに自身の思いを語りだした。
最近、同氏はすっかりこのロシア国営メディアの常連になっている。
リバタリアンといってもいいほどの経済的リベラリズムを唱えるシフ氏が、旧共産圏と近づいている。
敵の敵は味方、あるいは、右と左はつながっているということだろうか。
シフ氏が今回、香港に関して自国にイラついていることとはなんだろう。

ヘリテージ財団が毎年発表する『経済的自由指数』を見ると、香港は現在第1位だ。
香港は世界一自由な経済であり、米国はこのランキングの12位だ。

もちろん経済的自由指数と香港人権法が対象とする「自由」には内容に差があるのだが、それにしても面白いところをもってくるものだ。
もっともユーロ・パシフィック・キャピタルでは投資家に貴金属や外国投資を推奨しているというから、これもシフ氏が日頃から感じているところなのかもしれない。

経済的自由指数を発表しているヘリテージ財団といえば有名・有力な保守系シンクタンクだ。
同ランキングでは独自に国々の経済的自由度を計算し、5つのカテゴリーに分類している:
自由、ほぼ自由、まあ自由、ほぼ不自由、抑圧されている。
2019年「自由」に分類されたのは6つの国と地域で、上位から香港、シンガポール、ニュージーランド、スイス、オーストラリア、アイルランドだ。
日米独は「ほぼ自由」であり、12位:米国、24位:ドイツ、30位:日本である。
中国は「ほぼ不自由」の100位である。

今回のシフ氏の皮肉は問題に真正面から応じたものとはいえないだろう。
しかし、その指摘に全く正当性がないかといえばそうでもない。
異なる断面での議論として、同氏の指摘は無価値とはいえない。
国が国を批判する時、こうした複眼的認識は決して退けるべきではないだろう。

シフ氏に話を戻せば、この人の最大の関心事は香港市民の人権ではないようだ。

私がもっと心配するのは自国民の自由だ。
世界一自由な人たちを心配するより、我が国のリーダーたちは自国民をもっと自由にする方法を考えたらどうなんだ。


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