世界は大停滞(great sag)にある:レイ・ダリオ

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、次の景気後退期のありようについて語っている。


現(景気)サイクルは弱まりつつある。
世界は、私が『大停滞』(great sag)と呼ぶ状況にある。

ダリオ氏が、IMF/世界銀行の年次総会でのパネル・ディスカッションで発言したとCNBCが伝えた。
同氏の基本認識は変わらない。
次の景気後退期には金融政策の効果は低減してしまうと予想。
さまざまなレベルでの政策協調が必要になるという。
代表的なものが財政・金融政策の協調だ。
ダリオ氏は、両政策を強調させれば「何か効果を発揮するかもしれない」と控えめの期待を述べている。

IMFは11日、2019年10月版「国際金融安定性報告書」を公表した。
その中で、企業のリスク・テイク拡大による債務増加に警鐘を鳴らした。

ダリオ氏は、金融市場の現場で起きていたことを描写している。


「様々な理由で企業のバランスシートで起こっているのは、金利が下がりたくさんの資金が得られるにしたがって、たくさんの資金を借りたということだ。
ROEは資金調達コストより高かった。
レバレッジを大きく高めてきた。
レバレッジド・ローンのような市場の発達もあり、わずかな金利で借金ができた。
いくらでもロール・オーバーが可能なため、ほとんど元金を返済しないでもいいような状態だった。」

ダリオ氏はこの債務拡大の中に「とても乱暴でばかげている」要素が存在すると指摘する。
この現象の背景には中央銀行の金融緩和があり、だから世界的なマイナス金利環境になったと分析する。
しかし、ダリオ氏は、ついにレバレッジ拡大が行き着くところまできたと話す。
金融政策が効果を失うのと同時に、レバレッジ拡大にも限界が訪れるのだろう。

債務返済を見る限り、債務危機のようなことは起こりそうにない。
しかし、(債務は)積み上がり、限界にきた。
起こりうることのほとんどが限界に達し、これら負債が存在する。
だから、これは大きく破裂するというよりは大きく停滞していくのだろう。

天才の言葉を理解するのは難しい。
ダリオ氏は従来から次の景気後退期の状況を「スクイーズ」という言葉で表現してきた。
債務スクイーズなどがきっかけとなって、経済政策にパラダイム・シフトが起こると予想。
投資家にそれに対する備えを奨めている。


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