不確実性のプレミアムが増す:ローレンス・サマーズ

ローレンス・サマーズ元財務長官(現ハーバード大学教授)が、米中貿易交渉や米経済について悲観的な見通しを語った。
次第に財政刺激策の効果が剥落し、今後数年での景気後退のリスクが高いという。


合意は正しい内容にはならないだろう。
二国間での貿易赤字の上面をごまかすことに終始している。
中国が抱える多くの問題に対処するために世界を動かすのではなく、米国は世界のいたるところで貿易についてけんかを売っており、結果としてある意味中国の立場を強めてしまっている。

サマーズ氏がCNBCで、トランプ政権の通商政策のアプローチを批判した。
多国間の枠組みで中国にルールを守るよう働きかけるべきところを二国間での条件交渉に終始している。
また、西側諸国や同盟国にも同様のけんかを売っている。
これでは、今になって多国間の枠組みを主張する中国の味方を増やす結果になってしまう。
サマーズ氏は、現政権の通商交渉がいい結果をもたらさないだろうと悲観的だ。
この1つの表れが市場にも出ているという。


市場では不確実性のためのプレミアムが発生している。
大統領が交渉を混乱させるような動きをするたびにこれが起こる。
中国からの輸入に依存する多くの米企業にとってどういう意味を持つのか心配だ。

サマーズ氏は、第1四半期の米GDPが予想以上によかった点について、米企業の強さ、競争力の高さにあるとコメントしている。
しかし、先行きについては楽観していない。
経験的に「関税のようなものは徐々に経済を腐食していく」ものだからだ。

「関税はまだ大きくは影響を及ぼしていない。
以前の財政刺激策の効果が剥落し、2018年にFRBが利上げを進めた影響を考えれば、今年中に鈍化しなければかなりの驚きだ。」

サマーズ氏は昨年の大型減税がまだ効いていると見ている。
しかし、減税の効果については「一時的なプラス材料であり、恒久的なプラス材料ではない」と指摘する。

だから、経済はここから鈍化するだろう。
今後数年での景気後退のリスクはいまだかなり高い。
・・・
まだ、かなり慎重であるべきと思う。


 - 海外経済