下がると確信していなかった:スタンリー・ドラッケンミラー

かつてジョージ・ソロス氏のクォンタム・ファンド運用に12年間携わり莫大な利益をもたらしたことで有名なスタンリー・ドラッケンミラー氏が、現状様子見のスタンスをとっていると明かした。
米中摩擦の悪化を受けて、ポジションをネットで閉じ、米国債を買ってあったのだという。


「1か月ほど前の日曜日の午後、あんなすてきなツイートでゴルフを邪魔されるとは思っていなかったよ。」

ニューヨーク経済クラブでのドラッケンミラー氏の発言をCNBCほか各紙が伝えている。
「すてきなツイート」とは5月5日(日)のトランプ大統領のツイート。
中国からの輸入品への関税について10%としていたものも25%に引き上げると宣言したものだ。
解決に向かうかと見られていた米中交渉はこの日を境に見通しにくい市場への悪材料となった。

日曜日のゴルフを邪魔されたというドラッケンミラー氏はどう行動したのか。
その行動は徹底している。

トランプがツイートした時、私は投資ポジションを93%からネットでフラットに戻し、大量の米国債を買った。
・・・
儲けようというわけではなく、ただこんな環境で勝負したくなかったんだ。

リスク資産のロングを(ネットで)解消し、資金をリスクフリー資産に移動した。
この1か月を見れば米国株は調整傾向だったし、米国債利回りは下げた(=価格上昇)のだから、ドラッケンミラー氏は図らずして儲けたことになる。
弱気バイアスを得意とする同氏ならではの果報というべきだろうか。


「米国を揺さぶり好戦的にし、多くの言葉でプレッシャーをかけ、中国に対してはこけおどしを用い、習近平に合意という出口を与えない。
大統領はこれが勝利の方程式だと思っている。」

ドラッケンミラー氏は、関税を武器に強硬な交渉を続けるトランプ大統領のやり方が米経済を痛めていると指摘し、再選はないと予想した。
一方で、対抗馬についても心配を漏らしている。

「もしトランプが負ければ、特に私が間違っていて愚か者が勝てば、PERは大きく下げるだろう。
大きくだ。」

ドラッケンミラー氏は、民主党が勝つ場合、社会主義の信奉者でなく中道の候補が勝つことを願っているという。

ドラッケンミラー氏は、米市場をどう見ているのか。

私は大量の米国債を保有している。
買ったときは金利が下がるとは確信していなかった。
ただ確かだったのは、上がらないということだった。

米市場で弱気心理が高まっているのは間違いない。
しかし、米金利については見方が分かれている。
景気低迷やFRB利下げという連想で金利が上昇しないと見る人たち。
弱気という意味では同じなのにインフレへの見方の違いから金利上昇を見込むジェフリー・ガンドラック氏ら。

これはドル相場にも大きく影響するだろう。
金利が上昇しないのはドル相場の重しになるし、インフレ上昇ならばこれもドル安要因だ。


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