上野泰也氏:ドル円は100円前後へ

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みずほ証券の上野泰也氏が、物価動向・市場環境から米金利の低下を予想している。
結果、ドル安要因が働くとし、ドル円相場は100円を目指すという。


「年内に米10年債利回りは2%を下回り、ドル円相場は100円前後まで円高ドル安がさらに進行するだろう」

上野氏はReutersへの寄稿で、米国発の円高を予想した。
日本も米国も雇用の改善が賃金上昇に直結せず、物価上昇が望むほど進まない。
物価が思うように上昇しないため、「年後半以降の米国の金融政策運営は、タカ派ではなくハト派に傾斜せざるを得ない」と上野氏は読む。

「失業率の低さにこだわりすぎて利上げを続けると、景気のオーバーキル(過剰引き締め)や物価の一段の鈍化を招いて失敗するということである。
・・・
FRBは物価安定と最大雇用という二重の責務を負っているが、最優先課題は物価安定の確保、すなわち2%に設定されているインフレ目標の達成だろう。
物価が伸び悩む状況で必要とされるのは、本来は追加緩和のはずである。」

米国の物価に黄信号が灯っている様子は、債券市場に織り込まれたインフレ率であるブレークイーブン・インフレ率(BEI)にもはっきりと表れている。

米ブレークイーブン・インフレ率(10年)
米ブレークイーブン・インフレ率(10年)


昨年2016年7月から上昇を続けてきたBEIは、トランプ氏当選で揚げ足を早めるかに見えた。
これがリフレ・トレードを生んだが、1月末頃からインフレ期待は低下に向かう。
株式市場はともかく、少なくとも債券市場はインフレ期待を後退させた。
今では1.8%を割り込み、言うまでもなくこれはFRBの物価目標2%を割り込む水準だ。

こうした物価水準に金融環境を加えた結論は、米金利低下・ドル安となる。

「物価情勢に加え、需給の面、特に米国の債券を対象とする日欧などのマネーによるイールドハント(利回り追求)から、米国の長期金利は一段の低下が必至だと筆者はみている。
したがって、ドル円相場は円高ドル安方向に動く可能性が高い。」

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