キニコス・アソシエイツのジム・チャノス氏が、市場サイクルの終わりが近づいているとして、出遅れた一般投資家が安易に参入すべきでないと話している。
多くの投資家、リテイル投資家が参入する問題点とは、それがいつもサイクルの終盤で起こる点だ。・・・
つまり、最近数サイクルでの問題は、リテイル投資家が買っている間にプロモーター、インサイダー、とてもうまくやる人たちが刈り取りをすることなんだ。
チャノス氏がCNBCで、一般投資家がババを引くパターンが始まりつつあると警告している。
どうやら同氏は、現在の市場サイクルが終わりに近づいていると見ているようだ。
強気相場を目の当たりにして遅れて参入する一般投資家が、上昇したリスク資産の受け皿になると予想している。
チャノス氏は、ファンダメンタルズや企業不正に着目したショート・セラー。
エンロンのショートはあまりにも有名だ。
息長くしつこくショートを続け、対象の不合理や不正を市場参加者に周知し、ショートの果実を勝ち取る。
もちろん、いつもうまくいくわけではない。
特に昨年のパンデミックを除けば、現在の強気相場は12年目と長く続いた。
さらに、前例のないほど強力な金融緩和が続き、ショート・セラーには過酷な環境だった。
チャノス氏は、テスラをショートした代表的投資家の1人だが、今年に入ってついに敗北を認めショート・ポジションを閉じている。
チャノス氏は2つの大学で金融詐欺の授業を教えている。
その1つのメッセージは、金融詐欺が市場サイクルの終わりに多く発覚するというものだ。
「FRBに加えてウォール街にも輪転機が存在する。
価格が高くなれば、良い目的にお金を使う企業だけでなく、さまざまな疑わしい事業計画や明らかなペテンからの株式発行が行われる。・・・
今がその時期だ。
最終的には生産的とはならず、そのプロモーターが私腹を肥やすことになるだろう、あらゆる種類のものにお金が投資されている。」
民間の輪転機はまだ回っているように見える。
チャノス氏は金融詐欺について、タイムラグをともなって発覚すると指摘してきた。
今はまだ潜在的な被害者が増える局面なのかもしれない。
同氏は厳しい先行きを警告する。
最後に参入するリテイル投資家たちは、厳しい教訓を学ぶことになろう。