ロバート・シラー:10段階評価で1-2の経済政策

ロバート・シラー教授がトランポノミクスに厳しい評価を下し、米株高の真相を語った。
政権と共和党の経済政策は効果的でないとして、ほぼ最低点に近い評価をしている。


「私は(学生の成績評価に)厳しい方ではない。
10段階評価(10が最高)で1、もしかしたら2かもしれない。」

シラー教授がBBCラジオ番組で、トランポノミクスに対して厳しい評価を下した。
教授が最低の1としなかったのは、大統領の気持ちを汲んでのことだ。

「職を失った人たちを心配するのはいいことだ。
でも、やり方が効果的でないんだ。」

最大の手柄とされる減税についても、教授は、財源がともなわず財政赤字が悪化する点を問題視している。
トランプ政権も共和党も楽観的すぎる経済・財政への効果を吹聴し、問題を直視しようとしない。

「(経済刺激策の効果は)誇張されている。
米国はすでに基本的に完全雇用にある。
どうやってさらに生産を増やすのか。
技術の進歩や生産性の向上が必要で、そのためには科学的研究の推進や科学者が渡米する自由が必要だが、それはなされていない。」


トランプ政権は不動産屋、金融屋などビジネス・パーソンの集まりだ。
これを一概に否定的に見てはいけないが、何事にもバランスは必要だ。
目的を達成するための最善の手段を考えてくれる優れた学識経験者も必要だ。
しかし、トランプ大統領の周囲にはサプライ・サイドにしか目をやらない学者や保護主義の信奉者しかいない。
こうした人たちは、とにかく米企業に有利なようにすれば社会全体が幸福になると信じ込んでいる。

「(困っている人たちを)心配する大統領であることはいい兆しだ。
しかし、問題は、それが本当に彼らを救うことになるかだ。」

トランプ大統領がたびたび自分の手柄とする米株高についても、シラー教授は大統領の手柄ではないという。
減税が企業収益の向上を通して株高要因となることを認めつつも、株高の大部分が大統領の手柄でないとする理由を挙げている:

  • もしも減税が株高の理由で、市場が効率的であるなら、トランプ当選後すぐに減税による上昇分だけ急騰するはず。
    しかし、実際の株高はじりじり進んだ。
  • 株高はオバマ政権2期目にも進んでおり、トランプ政権に固有のものではない。

「仮にトランプが株価を押し上げたとするなら、それは経済政策そのものだけによるものではない。
資本主義者に優しい大統領によって作られた全体のムードや雰囲気によるところの方が大きい。
大統領をまねて『もう少し自己中心的になっていいよ』と促されたんだ。」


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