ロバート・シラー:重要な転換点に差し掛かった

ボルカー・ショックを思い出す

シラー教授は債券市場についても語っている。
バブルではないが、大きな転換点にあると指摘し、ボルカー・ショックを回想した。
ボルカー・ショックとは、1979年FRB議長に就いたPaul Volcker氏が行った金融引き締め政策とそれによる金融・経済の混乱のこと。
長く続いた高インフレを抑止するためFF金利を1979年平均の11.2%から1981年に20%にまで引き上げた。
インフレ抑止は達成されたものの、経済悪化を招き、失業率が上昇、資産価格は下落した。


実効FF金利と米長期金利


金利のトレンド転換か?

シラー教授は、金利がその後下げ続けていることに注目する。

「単なる金融危機ではなかく、長期の趨勢的な低下だった。
・・・
強烈な性格のドナルド・トランプが大統領になる。
金利低下のトレンドは逆転するのか?」

と自問する。
シラー教授は、債券がバブルとは考えていないから、トレンド転換もバブル崩壊のようなものにはならないという。
しかし、転換のしかたがどうあれ、「長期も短期も高金利の時代がやってくるだろう」と予想している。

「見ればわかるが、ジャネット・イエレンFRB議長は冷静で責任感のある人物。
インフレはコントロールされており、無謀な利上げを行うとは思えない。」

この認識こそ、多くの人が恐れるリスク・シナリオではないか。
FRBがボルカー・ショックの再来を恐れ、利上げを躊躇する。
これが、CPIや資産インフレを誘発し、シラー教授をしてバブルと認めさせる経済環境を生み出してしまう。
近い将来、先進国の中でも高金利シナリオと高インフレ・シナリオの二者択一を迫られる国が増えていくのかもしれない。


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