ロバート・シラー:経済学はビットコインを語れるか

資産価格の実証的研究で2013年ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授が、経済学によるビットコインの扱い方を論じている。
伝統的な経済学は現在のビットコインに対しては無力であり、行動経済学の出番になるという。


「経済学用語で言うなら、ビットコイン需要はマネー需要と同じ流通速度だろうか?
同じ量の退蔵があるだろうか?
今日存在する他の仮想通貨はどうだろうか、将来発展するだろうか?
ビットコインは何か別のよりよいものに代替され、無価値になってしまうのではないか。」

シラー教授はThe New York Timesへの寄稿で、仮想通貨の価値を測るのに伝統的経済学を用いるとした場合を想定し、こう考えを巡らせた。
しかし、こう書いた直後シラー教授はこのアプローチを放棄している。
こうしたやり方はひどく不正確なものでしかなく、ビットコインの価値を弾き出したところであいまいな結果にしかならないからだ。

「ビットコインはあいまいさの好例であり、効率的市場仮説は仮想通貨市場で起こっていることを捉えていない。
ビットコインの大きな価格変動を合理的に正当化するような新情報が毎日出ているわけでもない。」


たいした情報もないのに、価格が大きく上下する。
こうした動きを情報に合理的に反応した市場の営みと考えることはできない。
今月相次いでCBOE・CMEがビットコイン先物を上場したが、シラー教授は、先物上場でショートが可能になったからと言って投資家の興奮の持つ力を打ち負かすことはできないだろうと予想している。

シラー教授は、このバブル的な資産クラスの前に伝統的な経済学は無力だと話しているのである。
まさに行動経済学の出番なのだ。

「ビットコイン市場はあいまいさとアニマル・スピリットの素晴らしいケース・スタディだ。
数百万の人間の脳がどのように入って来る刺激、この場合は仮想通貨に関する公衆の受け入れ・想像・イノベーションを処理するかについて貴重な情報を与えてくれる。」

ただし、シラー教授が語るのもこの程度までで、それ以上の具体的な確たる知見を呈示しているわけではない。
いや、一つだけあった。

「この2,750億ドルを超える驚くべき時価を前に、ビットコインのファンダメンタルズ・バリューをどう推計できるだろう。
あらゆる試みはすべてバカらしい結果しか与えない。」


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