ロバート・シラー:市場を下落から防いでいるモノ

資産価格の実証的研究で2013年ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授が、現在の市場のバブル度を測っている。
現在の相場が崩れないのは、訳あって相場への信頼感に脆弱さがないためだと仮説を立てている。


「伝統的な基準だと、バブルとは次の場合に起こる:
市場が高くなっていると人々は考えているが、上昇が継続すると考えているために、とにかく(投資先に)とどまっている場合。」

バブルの権威 シラー教授がFinancial Postに対し典型的なバブルの特徴について語っている。
自身が調査を続けている米市場の信頼感指数に触れ、バリュエーション信頼感指数が2000年以来で最低となっていることを指摘した。
(同指数が低いということは、投資家が市場株価を割高と考えていることを意味する。)
2000年とは言うまでもなくITバブルがピークを打ち崩壊を始めた年である。

Robert Shiller教授による米バリュエーション信頼感指数
Robert Shiller教授による米バリュエーション信頼感指数


人々が市場のバリュエーションについて信頼をしていないことから、私たちはその環境(2000年の環境)にほぼ戻ったことになる。

シラー教授は現在がバブルの特徴の一つを満たしていると話す。

信頼感が揺らいでいない

一方で、過去の大きなバブルと異なる面もあると明かす。
教授は、大恐慌直前の大相場の頃の新聞記事の傾向について調べている。

「1928-29年(史上最も劇的だった株式市場のクラッシュの前のピーク)を回想すると、当時、市場の狂乱が話題になっていた。
1928-29年の新聞は概して投資家の熱狂を伝え、理解しようとする記事を載せている。
それ以外にも、時間をかけて高まったのだろうが、市場が信頼感によって駆り立てられており、信頼感とは脆弱なものとの見方もあった。」

この信頼感が脆弱との論点について、教授は現在多く語られているとは思えないという。
つまり、バリュエーションには割高感があるにもかかわらず、上げ相場への信頼感が揺らいでいないというのだ。
仮に、この信頼感が揺らぐとどうなるか。
他人が売っていると感じ取るとみんなが売り急ぎ、市場が急落するのである。
1929年10月28日がまさにそうだったのだという。

(次ページ: 低ボラティリティはむしろリスク)


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