ロバート・シラー:不動産市場を動かすもの

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資産価格の実証的研究で2013年ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授が、住宅市場変動の主要因を解説した。
税優遇の影響度は小さく、仮に控除が引き下げられても悪影響は大きくないと予想した。



Mortgage interest deduction would affect small amount of taxpayers: Yale University’s Robert Shiller from CNBC.

「(所得控除の引き下げは)他の大きな要因と比べれば些末なことだ。
リーマン危機後に住宅市場は底を打ち、年10%の上昇を始めた。
そこからさらに年5%の上昇をした。」

シラー教授は、米個人所得税における住宅ローン金利控除限度額の引き下げが住宅価格に及ぼす影響は大きくないとCNBCで語った。
住宅市場が大きく変動している中では、価格変動による含み益の方が所得控除の影響よりはるかに大きい点を指摘。
さらに、確定申告では住宅ローン金利控除を使える項目別控除額を用いるより標準控除額を用いるケースが多い点を挙げた。


控除縮小が住宅価格に打撃?

米政府の住宅ローン支援策では、夫婦の共同申告では1百万ドル、単独の申告では500千ドルの住宅ローンまで、支払い金利を所得控除できる。
納税者の2割がこの恩恵を受けており、うち過半数が所得100千ドル超、その人たちだけで恩恵の81%を占めているという。
金持ち優遇になっているとの考えから、共和党の税制改革案で限度額引き下げが俎上に上がっているようだ。

CNBCキャスターは、限度額引き下げが住宅市場の下落につながるといいたげだが、シラー教授は冷静な分析を述べている。
恩恵を受けている人が一部にすぎないだけに、市場に与える影響も大きくないと話している。

「私は行動経済学者だ。
(限度額引き下げで住宅価格が下がるという)ストーリーは間違いなく人々の振る舞いに影響を及ぼす。
私は(所得控除を)計算する人が多いとは思わない。」

(次ページ: 税制簡素化が叫ばれるわけ)

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