ロバート・シラー:上昇は続くかもしれない

資産価格の実証的研究で2013年ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授が、割高な米市場への見方を語った。
一般紙がシラー教授の意見の全体像を掲載したことは、株高が米社会に浸透しつつあることを示すのかもしれない。


現在の米株式市場は、過去13回の弱気相場直前のピークのほとんどとよく似ている。

シラー教授がUSA Todayに不吉な観察を語っている。
市場変動を確率現象として捉え、過去のファクトを調べ尽くすのが教授のスタイルだ。
教授によれば、心配な兆しがいくつも見えるという。

「高いCAPEレシオは、絶対そうなるわけではないが、弱気相場になりやすい脆弱性を示唆している。」

シラーのCAPEレシオ
シラーのCAPEレシオ

強気派は必ず好調な企業業績を指摘し、心配ないと言う。
しかし、シラー教授はこれも不用意な言い方だという。
過去の株式市場のピークは、企業収益が高水準だった時に訪れているからだ。
さらに、低ボラティリティもピークの前に起こりやすい現象だという。


材料はそればかりではない。
シラー教授とイェール大学が調査している米株式市場信頼感指数はITバブルのピーク2000年と同水準に達した。
株価が割高なので、長期的な米国株の債券に対する超過リターン(推計)は25bpしかないという。

シラー教授は、市場の常識はずれな挙動を知り尽くしている。
だから、教授の目下の心配ごとは市場下落ではない。
むしろ逆だ。

「この上昇がしばらく続いてしまうかもしれない。
・・・
トランプ大統領は扇動的な資本主義の代弁者だ。
さらに株を押し上げるような雰囲気を作るかもしれない。」

こうした捻りのある予想もまた過去の検証からもたらされたものだ。
周囲の国々の心配をよそに、米市場には崩壊直前のルーティーンが見られないのだ。

「何か悪いことが起こる予感がして息を飲むような時間があるものだ。
今はそれが見られない。」

しかし、シラー教授は、こうした状況も容易に変化しうると話す。
ある日突然何かのきっかけから市場心理が変化を始め、バイラルにあっという間に広まり、惨事の引き金を引くのだという。
投資家の意見、北朝鮮、政治的動揺、ワシントン、どこにでもきっかけとなりうる種が転がっている。

シラー教授は自身が、米国株を減らし気味にしていると語る。
チャンスがあるとすれば外国株だと言う。
教授は以前から、割高だからと言って市場から完全に撤退してしまえばさらに上げた時の果実を取り損なうと話している。


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