ロバート・シラー:フリッパー成功物語がバブルを醸成

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資産価格の実証的研究で2013年ノーベル経済学賞を受賞し、S&Pケース・シラー住宅価格指数の共同開発者としても有名なロバート・シラー教授が、住宅バブルの再来を心配している。
いくつかの要因が、リーマン危機を引き起こした住宅バブルと似通っているのだ。


「住宅投機への公衆の陶酔感は2010年ドッド・フランク法によって権限を与えられた当局によって監視されてきた。
しかし、不動産プロモーターの大統領が選ばれ当局の権限を減らそうする中、抑制は弱まっている。
この(バブルの)ナラティブ(物語)は依然起こりえ、容易に住宅市場でのさらなるスパイラルを後押ししかねない。」

シラー教授がThe New York Timesへの寄稿で不動産バブルの再来を心配した。
100年に一度の危機と言われたリーマン・ショックの原因となった米住宅バブル。
それが再来する素地が整いつつあるのだという。

米住宅価格はすでに高い

ケース・シラー住宅価格指数(20都市)
ケース・シラー住宅価格指数(20都市)


実際、米住宅価格はすでに相当に高い。
サブプライム危機前の水準に迫りつつある。
前回の危機ではその後住宅価格は下落し、その水準が持続可能ではなかったことが明らかになった。
その水準を持続可能とするには、住宅保有の収益性の向上が必須となるが、果たしてその条件は満たされているだろうか。

理詰めでは解説できない価格変動

こうした理詰めの考え方は、実際の市場価格を説明する上で役に立たないことが多い。
長期的趨勢を語るには有用なのだが、短期的な上げ下げまでは説明できない。
住宅バブルが発生しかねないと心配する教授の考えの背景には、教授なりのナラティブ心理学的な考えがある。

「価格変動は時代のメンタリティの変化と関係していると私は信じている。
その変化とは、伝染性があり人口全体を席巻するナラティブ(物語)によってもたらされる。」

(次ページ: フリッパーの成功物語)

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