ロバート・シラー:バイラルは突然に訪れる

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資産価格の実証的研究で2013年ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授が、マーケット・タイミングの難しさを語っている。
市場の調整はすぐ来るかもしれないし、まだ数年先かもしれないという。


1996年、私はFRBでアラン・グリーンスパン議長(当時)の前で証言した。
CAPEレシオが現在と似たような水準になっていた。
その時も今も市場が下落するとは予想しなかった。

シラー教授はカナダBNN番組で、確定的かつ時期を指定して市場を予想することが不可能であると示唆した。
市場の高バリュエーションは明日・来月・来年調整が来ることを教えてくれるわけではない。
1996年の証言の時も、その後たいして大きくない調整まででも3年もあったと回想する。

2000年前後の米NASDAQ指数
米NASDAQ指数

シラー教授によれば、強気相場が下げに転じる時、市場で何かがバイラルに波及するのだという。
バイラルな現象とは奇怪なものといい、その発生を予想するのは難しいのだという。
そして、その中身も多岐にわたる。

「人の関心、恐怖、時には根拠のないフェイク・ニュースにでも人々は反応してしまう。」

シラー教授は、大恐慌の1929年前後、ITバブルの2000年前後について、新聞記事を元に回顧する。

「その頃ほど市場には神経質な感じはない。
だから、最初の下げを引き起こすパニック売りの可能性は小さい。
だからといって、それが起こらないというわけではないんだ。
突然みんなが注目し、劇的に起こるものなんだ。」

シラー教授が注目する「神経質な感じ」を計測するにはどうしたらいいだろう。
教授は「根拠なき熱狂」というキーワードの登場回数を調べるのだという。
それによれば、このキーワードは1997年にピークとなっており、ITバブル崩壊までさらに3年があったことになる。
つまり、投資家は1997年までは危機感を募らせながら買い上がっていたが、その後崩壊までの3年はむしろ警戒を解きつつ買い上がった可能性がある。

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