ロバート・シラー:トランプがうまくやれば株は30%上昇も

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資産価格の実証的研究で2013年ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授が、米国株について強気な見方を語った。
ところが、よくよく聞いてみると、とても強気とは言えないものだった。


シラー教授は先日、提携するダブルライン・キャピタル主催のフォーラムで米国株には3-4%の上昇余地があると話した。
バブルの予言者として名声を得てきたはずの教授が、逆ともとれる発言をしたわけだ。
これにBloombergが食いついた。
シラー教授は、上昇余地の話は「予想というよりはシナリオだ」とし、状況は「いつになく不確実だ」と語った。

「29倍というCAPEレシオは極めて高い。
1929年ほどは高くないが、それに近づいている。
悪い兆しだ。」

ロバート・シラー教授による米国株のCAPEレシオ

米国株のバリュエーションが割高にあることを認めつつも、シラー教授は「通常、短期的な株式市場の動きを予想することはできない」と株価予想の難しさを語る。
株式相場とは、往々にして、下げて当たり前の時に上げるものだからだ。

「今は1927年、CAPEが同じく29倍近かった頃とよく似ている。
10年前の2007年も株式市場はよかった。
それが株式市場の不確実性だ。」


言うまでもなく、1927年は大恐慌の直前、2007年はリーマン危機の直前である。
Bloombergのキャスター陣はみな悲観派だ。
彼らの興味は、いつ下落が始まるかであったようだ。
トランプ政権が期待を裏切ったらどうなるかといった当たり前の質問を投げかける。
もちろん、期待を裏切れば株は下落すると、シラー教授は苦笑いだ。
と同時に、ポジティブ・シンキングの教授はこう返す。

「本当に不確実な時代だ。
もしもトランプがうまくやれば、株式市場は活況となり、(10年で)10、20、30%も上がりうる。」

10年で30%の上げだとすれば、米国株としてはずいぶん緩慢な上げだ。
おそらくここが、シラー教授の考えるアップサイドなのだ。

シラー教授はCAPEが短期的な予想に使えるとは考えていない。

「CAPEレシオだけを見ても成功は約束されない。
CAPEレシオだけでわかるのは、株式市場と債券市場が同じように高いことだけだ。」

こう限界を語りながら、他に勝る指標も見当たらないという。

「撤退のサインがあるとすれば、それは高いCAPEレシオだ。」

教授は一般の投資家にこう勧める。

「資産の一部は株式市場に残し、完全に撤退してはいけない。
待ちながら状況を観察しろ。」

焦って早く逃げてもいけないし、大統領が奇跡を成し遂げることを前提にしてもいけないということだ。

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