投資

ロバート・シラー教授が教える正しいCAPEレシオの使い方
2022年5月5日

資産価格の実証的研究で2013年ノーベル賞を受賞した行動経済学者 ロバート・シラー教授が、いわゆるシラーCAPEレシオについて語っている。


CAPEレシオは、それがとても高くて市場が下げる傾向にある時、とても低くて上げる傾向にある時、市場の予想因子になる。

シラー教授のCAPEレシオについてのコメントをダブルライン・キャピタルがツイートしている。
ダブルラインは教授と提携し、CAPEレシオを用いた投資信託・ETFを運用している。
前者は2013年にローンチ。
上々の出来だったため、同社の最初のETF(先月ローンチ)の1本にシラーCAPEファンドを選んだ経緯がある。

シラー教授が、CAPEレシオを実際の投資に応用可能と話すのは珍しい。
ダブルラインのためのリップサービスであるのは明らかだ。
教授は慎重に、レシオが役立つ条件を限定している。
つまり、レシオが極端な水準である時に役立つということだろう。

シラー教授による4月の米市場のCAPEは36.3倍。
これは1999年7月(ドットコム・バブル)の43.8倍に次ぐ2番目の水準。
3番目は1929年9月(大暴落前)の32.5倍だ。

CAPEは、PERに対し利益変動とインフレの影響を補正したものだ。
株価をインフレ調整後EPSの10年平均で割って計算する。
10年で平均する趣旨を、シラー教授は「分母の利益を景気サイクルでスムージングする」と説明している。
「100年超のPER」水準と現状を比べるのと同様の趣旨だという。
好景気の時にEPSが拡大しPERが小さいからといって、割安とは限らない。
ましてやEPSが循環的に拡大した時にPERが大きくなるなら大いに心配すべきだろう。

金融市場における実証研究の第1人者が、この指標をマーケット・タイミングのための指標と紹介している。

「私はこの指標を誇りに思っている。
米国市場全体だけでなく個々の市場セクターについても機能している。」

人間とは、市場とはなんと愚かなのか。
ノーベル賞学者が遠い昔から提唱してきた指標が、まだマーケット・タイミングの指標として機能しているという。
市場が効率的なら、有用な指標は直ちに効果を失うはずだ。
人間は、誰が何を言おうと、感情的で極端な動きをやめることはないようだ。

最後にシラー教授は、正しいCAPEレシオの使い方を述べている。

ふかしてはいけないので、CAPEレシオが説明できるのは株価変動率の25%にすぎない。
でも、有用な情報を提供してくれる。
高CAPEの銘柄・セクター・国を除外しておけば、長期ポートフォリオにおいて大きな違いが生じうるんだ。


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