ロイターが心配するアベノリスク

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経済も市場も絶好調だ。
そこで、Reuters(東京発)が6つのブラック・スワンを呈示している。


「どのリスク発生の確率が相対的に高いのか、今のうちに『頭の体操』をしておくことをお勧めしたい。」

Reuters田巻一彦氏は、好調な経済・市場に浮かれるばかりでなくまさかの時に備えることを勧めている。
6つのリスクを呈示し「いずれも今のところは、ほとんど発生のないに近い」としながら、不意打ちを受けると「衝撃が加速度的に大きくなる」と指摘している。
実際、リスク資産の市場で危機到来説を唱えるのには根性が必要だ。
資産市場とは往々にして長い間じりじりと上げ、いっぺんに落ちるようなところがある。
時間で確率を測るなら、上げると予想した方が下げると予想するよりはるかに分がいい。
さらに、資産市場では下げ予想は圧倒的に歓迎されない。
だから、終末博士と呼ばれるほどの有名人でないかぎり、リスクの呈示は控えめになりがちなのだ。

時間で確率を測るなら、市場は上がる確率の方が高い。
それでもリスクを把握しておくことが重要なのは言うまでもない。
長い間かけて儲けたリターンをあっという間に吐き出すのを防ぐためだ。
そのために、少々確率の低いリスクまで把握した上で、できることなら対処をしておきたい。
Reutersの言う6つのブラック・スワンとはそうした位置づけのものだろう。

Reutersのブラックスワン

  1. トランプ政権の失敗: 政権の混乱が続き、「このまま税制改革法案や予算案の審議が停滞した場合、今年末にかけて市場の不満や失望が充満し、何かのきっかけで『暴発』するリスク」。
  2. FRB資産圧縮による信用リスク顕在化: FRBのバランスシート縮小により長めの金利が上昇を始め、住宅・教育・自動車ローンの延滞が増加、ジャンク債が下落するなど、リーマン危機再来を印象づけるリスク。
  3. アジアのドル建て債務: 米金利が上昇すればドル高と相まって新興国のドル建て債務の負担が上昇するリスク。
  4. 湾岸諸国の資産売却: 湾岸諸国の政治・経済の混乱が続けば、通貨防衛等の資金捻出のため世界各国で保有する資産を売却しかねないリスク。
  5. ECBの出口政策: 金融緩和により隠れていた欧州のシステミックリスクが表面化するリスク。
  6. アベノミクスならぬ「アベノリスク」: 安倍政権の支持率低下で、アベノミクス相場を支えてきた海外勢が日本株売りに転じるリスク。

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